交通事故によるケガの第1「むちうち」について
2012.06.05
最終更新日 2021年1月20日
交通事故の傷害で一番多いむちうちとはどんなものか詳しく解説します。
むちうちとは
交通事故の衝突によって頚部周辺の軟部組織が損傷される症状を「むちうち」と呼びます。
むちうちは俗称で正式名は「外傷性頚部症候群、診断名は「頚部捻挫や頸椎捻挫」です。
医師の診断書に「むちうち」とは書かれませんのでよく確認する必要があります。
むちうちの症状について
車が正面、横から、後ろから追突されることによって、むちうち症も変わってきます。
人間の首が動く可動域は、前後ともに60°前後とされていますが、交通事故の衝撃によって、その範囲を超えて過度に動かされてしまうことで、靭帯などの組織を痛めてしまうのです。
正面からの場合は、先に前に伸びてそのあとに後ろに曲がります。
後ろから追突の場合は、先に後ろに伸びてそのあと前に曲がります。
側突(横からの衝突)の場合は、頭や首が肩に当たるまで曲がりますが、それ以上は曲がりません。この場合、角度によっては複雑で多彩な損傷を受けることになりますが、重度になると引き抜き損傷といって、脊髄神経が引き抜かれてしまうことがあります。
後方からの追突によるむちうちが90%を占める
後方からの追突によるむちうちが全体の90%を占めるといわれています。
むちうちは首肩の痛みだけでなく、腕のしびれ、頭痛、のぼせ、吐き気、倦怠感、ひどくなると、慢性化し治らなくなることもあります。
むちうちの治療は急性期、亜急性期、慢性期でアプローチも変わっていくのですが、急性期にしっかり治療することが最善であることは言うまでもありません。
「受傷から2~3週間の間に、適切な治療を受けることで、7割程度の症状が緩和する」という、医師の見解もあります。必ず早期に受診しましょう。