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    横からの追突事故の過失割合と慰謝料の関係

    2021.10.01
    横からの追突事故の過失割合と慰謝料の関係

    最終更新日 2024年9月11日

    交通事故においては、相手方車両は正面や後方から衝突してくるとは限りません。真横から衝突される事故もあります。

    真横からぶつかられると避けようがない!」と思われるため、こうした事故態様は「横からの追突事故」と呼ばれることもあります。しかし、衝突の態様によっては、横から追突された方にも、過失があるとされる事があります。

    横からの追突事故の色々なパターンとその過失割合

    慰謝料の金額を左右する過失割合

    過失割合とは、交通事故の当事者どうしの落ち度の割合のことです。被害者側の落ち度が大きいほど過失割合も大きくなり、慰謝料を含む賠償金も減額されます。自賠責保険金の範囲内で交渉する場合には例外的に減額されないこともありますが、それ以外の場合には、被害者側の過失割合の分だけ賠償額が減額されるのです。

    例えば、損害額が1,000万円、被害者側の過失割合が20%の時には、200万円分が減額され、実際に支払われる賠償金は800万円となります。

    横からの追突事故の様々なパターン

    ところで、道路の形状、状態は様々です。

    たとえば、信号機がある交差点だけでも、下記のようなバリエーションがあります。

    • 両者の道幅は同じ
    • 片方の道路は明らかに広い
    • 片方の車の道路には一旦停止の標識がある。

    加えて、それら道路の形状に加え、事故の発生状況としても下記のように様々なパターンがあるのです。

    • 自分は青信号で、横から追突してきた車は赤信号だった
    • 自分は青信号で、相手も青信号
    • 自分も相手も黄信号

    信号機がある場所での過失割合

    まず被害者が青信号で加害者が赤信号の時は、加害者の過失割合は100%、被害者の過失割合は0です。加害者は赤信号を無視しており、被害者は赤信号で進入してくるとは予見できないからです。

    一方で、双方とも青信号の時は、「横から追突された」と感じたとしても、加害者の過失割合は80%、被害者の過失割合は20%です。交差点であれば交差道路からも車が進入してくると予想すべきだった、やや前方不注意である、と評価され、20%の過失割合があるとされるのです。

    さらに両方とも黄信号の場合は、青信号の時よりもさらにより注意すべきという考え方により、被害者の過失割合は40%に増加します。「黄色信号ということは横からぶつけられるかもしれない」と想定しながら運転する必要があるのです。

    信号機が無い道での過失割合

    交差点では、左側から交差点に進入する車が優先されます。これを「左側優先の原則」といいます。そのため、交差点において四輪車どうしが衝突する交通事故が発生した場合でも、右か左、どちらから進入したかによって過失割合が異なります。すなわち、十字路交差点において、右側から進入した側の過失割合は60%、左側から進入した側の過失割合は40%が基本となります。

    ただし、その基本割合に加えて、様々な修正要素が考慮されます。たとえば、いずれかの車がきちんと減速していた場合は、その車側の過失割合が20%修正されます。例えば、先の十字路交差点の例では、左側の車が減速していた場合は、右側の車の過失割合は20%加算されるので、80%になり、他方で、右側の車が減速していた時は、右の車は40%となります。

    また、それぞれの道路の幅も修正要素となります。どちらか片側の道が明らかに広い時は、狭い道の車の過失割合は10%増加(反射的に、広い道の車の過失割合は10%減少)されるのです。

    一時停止も検討すべき考慮要素です。一時停止は、標識や道路上、または赤点滅など様々なパターンがあります。いずれにしても、その停止線を超える際に一時停止していなければ、その当事者の過失割合は80%となります。

    ながら運転などの修正要素で過失割合が加算される事も

    上記のように過失割合は道路の形状、事故態様に応じて色々なパターンはあります。そして、そのパターン毎に決まっている基本の過失割合に加え、どちらかに著しい落ち度がある時には、修正要素をも検討する必要があります。

    例えば、スマートフォンを見ながら運転する「ながら運転」をしている場合です。ペナルティも設けられた「ながら運転」ですが、明らかに危険な運転で、やはり過失は加算されます。飲酒運転も同様です。

    結局、事故での過失割合は、「どれだけその事故発生との関係で危険な行為に及んだか」により決まります。

    とはいえ、納得できないことがある場合、あなたの事故の場合、どの程度の割合になるか、お困りであればすぐにお伝えすることもできます。

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    「横からの追突事故」での保険会社の主張と弁護士への相談

    追突事故で保険会社から不当な過失割合が主張される

    横から「追突」された時には、被害者は加害者(または加害者加入の任意保険会社)と示談交渉を行います。治療しても完治せず、被害者に後遺症が残ってしまうことがあります。後遺障害認定時は、後遺障害に関連する損害項目も賠償金も請求していく事になります。基本的には示談交渉を行って、最終的な金額を決定します。その際、上述のような過失割合も考慮していく事になります。

    ですが上記でも触れた通り、横から追突される事故の態様は様々であり、過失割合にもかなり多くのパターンがあります。車の運転にあまり慣れていない方は、その全てのパターンを知り尽くすのは難しいでしょう。

    そこで加害者側の保険会社は、被害者の情報不足につけ込んでくる事があるようです。過失割合にあまり詳しくない事に注目して、やや納得のいかない数字を主張してくる事があります。本来ならば過失割合は10%程度になる筈なのに、40%などの数字を強気に主張してくる場合もあるので、注意が必要です。

    というのも加害者の過失割合が大きいと、保険会社としては多くのお金を払う事になります。保険会社としては支払いを無制限に出すわけには当然行きませんからやや強硬なを主張してくる事もまれにあるようです。

    追突事故の過失割合は弁護士に相談

    多くの交通事故被害者は、保険会社との示談交渉には慣れていません。自分の主張を伝えたくても、保険会社に強気に出られてしまい、結局は不利な条件で合意せざるを得ない事も稀にあります。

    もっとも、状況に応じた適切な対応をとっていれば、そのような事態は防ぐ事も可能です。

    やはり示談交渉が難しそうな時は、たとえば「横からの交通事故」で過失割合に納得いかないなど弁護士に相談してみる方が良いでしょう。幸いにも弁護士は、保険会社との示談交渉も代行をしてくれます。普段から多くの交渉を経験していますから、弁護士に任せる方が有利になるケースも多いです。

    弁護士は法律の専門家ですので、きちんと法律に基づいて主張し正当を実証してくれます。しかも弁護士に依頼する方が、支払われる慰謝料も高くなる事が多いです。追突事故の過失割合が気になる時は、一度相談してみると良いでしょう。

    横からの追突事故の過失割合についておさらい

    信号機がない道ですと、両者の道幅が同じ時は左側にある車が被害者であると見なされます。そのような状況では左側の車を優先するルールになっていますから、右側の車の過失割合は60%になるのです。急に横から追突された側からすると、自分には過失が無いように思われるかもしれませんが、上述のように追突事故にも色々なパターンがあります。必ずしも自分の過失はゼロになるとは限りませんから、注意が必要です。

    ただ保険会社によっては、納得のいかない過失割合を主張してくる事は稀にあります。それで慰謝料が減ってしまうのは納得がいかないでしょう。やはり難しそうな時は、交通事故に精通した弁護士に相談してみるのが一番無難です。

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    記事監修

    弁護士 渡邉貴士

    弁護士 渡邉貴士
    大阪弁護士会所属

    経歴:
    京都大学法学部卒業
    京都大学法科大学院修了

    趣味:
    プロ野球、温泉、音楽(ミスターチルドレンが好きです)

    実績:
    弁護士登録直後より交通事故案件に注力。中でもケガをした患者様の案件に特化しており、人身事故の相談件数は年間100件を超える。
    これまで整骨院や損保代理店での社内研修も多数実施して、連携をとって交通事故患者様のサポートを行う。