高速道路で追突事故!まず警察に通報せよ
最終更新日 2024年9月11日
ゴールデンウィークやお盆休みなどの時期は、高速道路はかなり混雑する傾向があります。それこそ長蛇の列ができてしまい、長く待機せざるを得ない事も多々あります。
高速道路では、しばしば追突事故も発生しています。高速道路で事故が発生した時は、第一に人命の安全確保及び救護措置・車両を安全な場所へ移動させ二次被害を防ぐ、次に警察に通報しなければなりません。その他にもやるべきことはありますが、救護措置を怠ると『救護措置義務違反』、警察に対する通報を怠ってしまうのは『報告義務違反』となり処罰される可能性があります。
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
後々の手間などを考慮すると、早めに通報すべきです。
目次
高速道路で追突事故に遭った時に警察に通報する理由
高速道路で多発している追突事故
高速道路での交通事故には様々なパターンがありますが、その中でも非常に多いのは追突事故です。注意し問題なく走行していたものの、突然後方から追突されてしまうことがあります。
追突事故は、高速道路で発生している事故の中でも割合が高いです。一般道でも後方からの追突事故は発生していますが、追突事故は高速道路でも発生しやすいというデータがあります。
警視庁発表の「令和2年における交通事故の発生状況」のデータでは高速道路での追突事故の割合は60%を超えています。
ですので高速道路を運転する時には、くれぐれも後方の車には注意すべきです。
そして、先程の警視庁発表のデータによると高速道路での追突事故は、走行中よりも停車中に発生している割合が高いです。渋滞で止まっている車両に相手側の不注意などで追突するケースが多いので、後々過失割合で揉めないためにもドライブレコーダーを取り付けることをおすすめします。
追突事故の後に警察に通報すべき理由
高速道路で追突事故が発生しても、人によっては警察に通報していない事があります。
本来は通報すべきであるにもかかわらず、大した事故ではないと思ってしまい、警察に通報していないケースが多いのも現状です。高速道路の利用者は急いでいる人が多く、手間と時間がかかるというような理由で、つい怠ってしまうことがありますが、それだけは控えるべきです。後々の治療費や慰謝料の請求に関わってくるからです。
高速道路で追突事故が発生直後は興奮状態に有り、被害者に特に何も症状も感じられない事があります。実際にむちうちなどの症状は、事故直後には自覚症状が無い場合があります。交通事故から数日~数週間経過し、初めて症状が出てくるパターンは多いです。
明らかに事故が原因であると思われる症状なら、加害者には慰謝料も請求する事ができます。交通事故から日数が経ちすぎると事故との因果関係が認められず、補償が受けられない場合がありますので、少しでも痛みを感じるようであれば、早期に医療機関へ受診することをおすすめします。
追突事故の直後に警察に通報する理由
上述の警察に対する通報を怠っていますと、治療費や慰謝料の支払い手続きがスムーズに進まない事があります。というのも治療費や慰謝料の支払い対象になるのは、あくまでも交通事故証明書が発行されている事故に限定されるのです。交通事故証明書が発行されていなければ、加害者に治療費や慰謝料を請求する事はできません。
どうすれば交通事故証明書が発行されるかというと、警察への通報なのです。通報を受けた警察官は、事故現場に来て様々な記録を残してくれます。その記録を元に交通事故証明書が発行されます。
しかし警察への通報を怠ってしまいますと、肝心の交通事故証明書も発行されません。交通事故証明書を発行してもらう為には、改めて事故現場に再訪問しなければならず、余計な手間が生じてしまいますので、高速道路で追突事故が起きたら、直ちに警察に通報すべきなのです。日にちを空けるべきではありません。
高速道路で追突事故が発生した直後は何をすべきか
追突事故の直後は退避スペースに停めて怪我人を救護
高速道路で追突事故が発生した時には、警察が来る前にいくつかのやるべき事もあります。
やるべき事は以下の順序が基本です。
- けが人の確認
- 車を退避スペースに停める
- 警察への通報
- 証拠を記録する
事故直後は、まずケガ人を確認しましょう。運転手には救護義務がありますから、怪我人は直ちに介抱する必要があります。
ただし高速道路という場所では、多くの車が高速運転していますので、衝突されてしまう可能性もあります。たとえ渋滞している場所でも、車はゆっくりと移動しています。事故直後の状態のまま、車両を放置していると、二次被害などが発生する可能性があります。
そのため、まずは車を退避スペースと呼ばれる場所に移動すべきなのです。安全な場所に移動した上で、改めて警察に通報するようにしましょう。
交通事故での追突事故で退避させる非常駐車帯
退避スペースの正式名称は、非常駐車帯です。高速道路では若干外に飛び出している場所があります。万が一追突事故などが発生した時でも、安全に救護活動を行えるように、高速道路では非常駐車帯を設けています。
高速道路の場合、おそよ200メートル間隔で非常駐車帯があります。車を動かす事が可能なら、そのスペースに移動しましょう。なお高速道路のトンネルの場合は、700メートル間隔で駐車帯があります。
高速道路での追突事故の直後に証拠を集める
上述の交通事故の対処順4点の中で、4つ目はとても重要です。交通事故の状況は、慰謝料にも関係してきますので詳しく記録を取っておきましょう。
追突事故が発生してから時間が経過すると、むちうちなどの症状が出てくる事があります。他にも様々な症状はありますが、負傷した時には治療費や慰謝料を加害者へ請求します。
その慰謝料の金額は、証拠に左右される場合があります。加害者と被害者の間に保険会社が入り話し合いのもとに慰謝料の金額も決定する訳ですが、加害者側の保険会社が証拠の提示を求めてくることがあります。
しかし証拠が不足していると、加害者に対して自分の主張を明確に述べるのが難しくなってしまいます。ですので事故の直後に証拠は集めておくべきですが、その際スマホのカメラやドライブレコーダーを有効活用しましょう。事故の決め手になると思われる物は、早めに撮影しておくべきです。
高速道路での追突事故の後に警察へ通報しないとどうなるのか
追突事故の直後に警察に通報する義務
高速道路で追突事故が発生した後に通報しないとどうなるかと言うと、刑罰が下る可能性は大いにあります。道路交通法では、交通事故が発生した時はすぐに警察にする義務があるのです。義務である以上、もちろん守る必要があります。
報告義務は交通事故規模は関係ありません。たとえ軽いと思われる事故でも、事故の当事者としては警察に通報する義務があります。
大した事故でない以上、面倒なトラブルに発展するのも避けたいですし、通報を怠ってしまう方もたまにいます。しかし、それは報告義務違反のリスクがあり大変危険です。
高速道路での追突事故で警察に通報しなかった時の罰則
警察に通報する義務を怠ってしまった時には、罰則が下る可能性があります。数ヶ月以下の懲役になるケースもあれば、罰金を支払う事もありますから、十分注意が必要があります。
たとえ軽い事故であると思われる時でも、速やかに警察に通報するよう心がけましょう。慰謝料の面で不利になるだけではなく、罰則が下る可能性があります。
高速道路での交通事故についておさらい
高速道路で渋滞している時は、車の速度もそれほど早くありませんし、追突事故が発生してもあまり深刻でない事もあります。しかし軽いレベルの追突事故でも、警察に通報する義務がある以上は早めに連絡すべきです。
軽いレベルの事故でも、数週間後にむちうちなどの症状が出てくる可能性は大いにあります。通報を怠っていれば、肝心の交通事故証明書も発行されませんから、補償が受けられないことも想定されます。
お怪我のある場合や少しでも痛みを感じる場合は速やかに病院(整形外科)に受診して診断書を発行してもらいましょう。医師の通院許可がもらえる場合におきましては整骨院との併用治療されている方も多いので完治までしっかりとした治療をすることをお勧めします。整骨院に通院する際には加害者側の保険会社にも事前に電話でその旨をお伝えしておいた方が良いでしょう。