事故証明書の内容と発行方法【要注意】
最終更新日 2024年9月11日
交通事故が発生した後には、交通事故証明書の発行手続きが必要な事があります。
保険会社に任せることも可能ですが、それ以外の方法で手続きを進めるなら、交通事故の当事者が事故証明書発行の手続きを行う事になるのです。
主に保険金を請求する時に使われる書類なのですが、その発行方法も複数あります。WEBで手続きを進める事も可能ですが、期限もありますのでなるべく早めに事故証明書を発行しておく方が良いでしょう。
目次
交通事故証明書という書類と発行期限
事故証明書に書かれている内容
交通事故証明書は、自動車安全運転センターから発行されるのです。その証明書には、事故を公的に証明できる効力があるので、保険金を請求する時に提出することになるのです。
その証明書には、下記のような情報が書かれています。
- 交通事故が起きた日時
- 交通事故が起きた場所
- 当事者の有無
- 正面衝突や接触事故など、交通事故の類型
- 加害者と被害者の住所などの個人データ
- 車種や車両番号
- 当事者の保険会社名
このような内容は書かれていますが、事故に関するあらゆる情報が含まれている訳ではありませんから、注意が必要です。
例えば過失割合は書かれていません。あくまでも交通事故発生の日時などの事実のみが書かれた書類になります。ですから交通事故が発生した原因や、被害の大きさなどの情報も書かれていません。
事故証明書はいつ発行できるのか?
事故証明書には、発行期限があります。事故直後に発行できる訳ではありません。最低でも1週間程度は待つ必要があります。
というのも書類を発行する為には、警察からのデータが必要なのです。そもそも交通事故が発生すると、まず警察は現場を確認します。書類を持った警察が、事故現場で色々な情報を記録している光景を見かける事もあるでしょう。記録されたデータは、上述のセンターに流れるのです。
ただ警察での事務処理は、すぐに完了する訳ではありません。どうしても色々な作業を行う必要があるので、だいたい1週間ぐらいかかります。
そして一番気をつけるべきなのは、その書類には発行期限があるのです。人身事故の場合は、事故が発生してから5年以内であれば発行できます。そして物損事故は3年以内になるのです。この年数が経過してしまいますと、原則として書類は発行できなくなりますから、注意が必要です。
事故証明書の3種類の申し込み方法
自動車安全運転センター窓口で事故証明書を発行
事故証明書はセンターから発行してもらう事になりますが、それにも以下の3つの方法があります。どの方法で発行する時も、600円支払う必要があります。2019年10月1日より各種証明書交付手数料が改定されました。交通事故証明書540円から→600円となり、運転経歴に係る証明書630円から→670円に改定されました。
- 窓口
- 郵送
- オンライン
1つ目の窓口ですが、最寄りの自動車安全運転センターに訪問して、その場で書類を発行してもらうのです。「最寄り」ですから、自宅近くにあるセンターの事業所でも問題ありません。ちなみに本人でなく、代理人に発行してもらう事もできます。
また上述の料金は、銀行やゆうちょ銀行などで入金する事もできます。入金する際は申込用紙も必要なのですが、その用紙も窓口に備え付けてあるのです。
この方法は、比較的速やかに発行できるメリットがあります。警察からデータが届いていれば、窓口で即日発行できるからです。
申請書を郵送して事故証明書を発行
2つ目の郵送ですが、申請書を郵便物として送付する事になるのです。申請書自体は、以下のように色々な場所で入手する事ができます。
- 警察署
- 交番
- 駐在所
この方法の場合、書類が発行されるのは若干時間はかかります。郵便事情がありますから、窓口のように即日で発行するのは難しいでしょう。急いで発行して欲しい時などは、むしろ窓口の方が良い事もあります。なお郵送物の発送先は、指定する事もできます。送付先の住所を通信欄に記入しておけば、自宅以外に郵送してもらう事もできます。
オンライン申請による事故証明書の発行と料金の支払い
3つ目のオンラインですが、安全運転センターの公式サイトにあるフォームに入力して、発行する事も可能なのです。ただしオンラインは、本人のみ申請できます。フォームに入力してデータを送信すれば、肝心の証明書は郵送されてくる訳です。
どこにフォームがあるかと言うと、以下の順番でクリックしていけばフォームを見つけられます。
- 安全運転センターのトップページを開く
- 各種証明書
- 交通事故に関する証明書
- 申請方法
- インターネットからのお申込み
- インターネット申請
フォームには氏名や住所や電話番号などの項目がありますから、情報を順次入力していきます。そしてセンターにデータを送信すれば、後日に書類が送られてきます。
この方法で申請する場合、料金は670円になります。上記の600円だけでなく、払込手数料も別途支払う事になるからです。その670円という金額を、フォーム送信日から数えて1週間以内に入金する必要があります。1週間経過してしまうと自動キャンセルになりますから、注意が必要です。
料金の支払い方法と事故証明書が到着するまでの日数
証明書を発行してもらうための料金の支払い方法も複数あります。
- 窓口で直接支払い
- 銀行
- ゆうちょ銀行
- コンビニ
- ペイジー
- ネットバンク
支払い方法によっては、上記の600円の他にも別途でお金を支払う事もあるので、注意が必要です。
そして証明書が郵送されるのは、着金確認の後になります。センターが入金を確認した後に書類を発送する流れになり、自宅などに証明書が到着するまでは、10日ぐらいかかる事が多いです。ですからWEBで申し込みをした日付が5月10日で、入金したのは5月13日なのであれば、書類が到着するのは23日になる可能性もあります。
交通事故証明書の後の人身切り替えと任意保険の取り扱い
交通事故証明書を発行した後の人身切り替えを忘れない
注意すべきなのは、運転センターから証明書を発行してもらえば、それで終了ではありません。人身事故への切り換えも済ませる必要があります。
交通事故は、最初は物損事故として扱われている事も多いのですが、それでは慰謝料などが支払われなくなってしまいます。事故が発生してから、原則1週間以内に警察で切り替え手続きを行う必要があります。
任意保険会社による事故証明書の発行と労災
上述の方法で事故証明書を自分で発行する訳ですが、実は保険会社に任せる時は、その限りではありません。人によっては、任意保険の会社に一括で手続きを任せている事もありますが、その場合は保険会社の担当者が手続きを代行してくれるのです。わざわざ本人が書類を発行する必要はありません。
ただし労災などで手続きを進めるなら、話は別です。自分で発行する必要がありますが、何らかの事情があってセンターでの発行が難しい時も、交通事故発生届という書面で代用する事もできます。
事故証明書についておさらい
交通事故証明書は、主に保険金を支払ってもらう時の請求手続きで提出する書類になります。任意保険会社に一括で任せるのでない限り、自分で手続きを進める事になるので、注意が必要です。
発行までにかかる日数も要注意です。郵送やWEBは少々時間がかかりますから、どうしても急いで発行して欲しい時などは、窓口申し込みも検討してみると良いでしょう。
発行した後の人身切り替えの手続きも、忘れないよう気をつけましょう。