むちうちで整骨院に通院する方法と施術内容について
最終更新日 2024年9月11日
事故の衝撃でむちうちになった場合、病院(整形外科)や整骨院での治療を検討すると思います。
- 「病院と整骨院のどちらに通えばいいの?」
- 「病院と整骨院は、どう治療が違うの?」
- 「病院と整骨院は一緒に利用できるの?」
このような疑問を持たれる方は多いのではないでしょうか?
本記事では、上記のようなお悩みを解決すべく、以下の項目が分かるようにまとめてあります。
- 病院と整骨院での治療の違い
- むちうちを病院で治療する場合のメリット・デメリット
- むちうちを整骨院で施術する場合のメリット・デメリット
- 整骨院でのむちうちの施術内容
- むちうちの施術を整骨院で受ける場合の注意点
むちうちの治療先でお困りの方は、ぜひ最後までお読みください。
今すぐ治療先を探したい方はサポートセンターへご相談ください。
目次
むちうちの治療は病院と整骨院で違うの?
むちうちの治療ができる場所として、病院(整形外科)と整骨院が主に思い浮かぶと思います。
しかし、これまで利用したことがない方にとっては、両者の違いは分かりにくいかもしれません。
そのような方のために、病院と整骨院の違いについて、詳しくご紹介していきます。
事故にあったらまずは整形外科を受診する
事故に遭いましたら、まずは整形外科を受診してください。
自覚症状がなくても、衝突や転倒などの衝撃で、首などを痛めているケースが少なくないためです。
また、「自賠責保険」を利用して治療や施術を受けるためには、医師の診断書が必要になります。
しかし、事故後は何も検査を受けず、数日〜数週間経った後に病院に行っても、事故と負傷の因果関係を認めてもらえないおそれもあるのです。
たとえ体に異常を感じなくとも、事故後はなるべく早めに検査を受けるようにしましょう。
病院(整形外科)と整骨院のむちうち治療の違い
病院と整骨院では、治療(施術)にどのような違いがあるのでしょうか?
病院(整形外科)での治療内容
病院で行われるむちうちの治療は、投薬がメインです。
消炎鎮痛剤の含まれた湿布や、痛み止めの薬などが処方されます。
また医師の方針によっては、患部に電気を流したり、理学療法士などが軽くもみほぐしを行う場合があります。
整骨院での施術内容
整骨院でのむちうちの施術は、手技による施術がメインです。
手を使って患部の緊張をほぐしたり、骨格のゆがみを矯正したりします。
また、手技の補助として、物理療法(電気・超音波)を用いる場合もあります。
病院(整形外科)と整骨院の役割の違い
整形外科は「体の状態を客観的に検査してもらうところ」、整骨院は「症状の早期改善を目指して、施術を受けるところ」と考えれば分かりやすいです。
事故に遭われた患者様の中には「病院(整形外科)は全然触ってくれない」と不満を持たれる方もいらっしゃいます。
しかし、整形外科は画像(レントゲン等)で体の状態を確認し、診断を出すことが主な役割なのです。
施術によって患部をしっかりと治したい場合は、整骨院の方が適していると考えられます。
整体院やカイロプラクティクは別物
整骨院と似た施設に整体院・カイロプラクティック院などがあります。
いずれも手技による施術がメインですが、以下のような違いがあるため、ご注意ください。
整骨院 | 柔道整復師(国家資格保持者)が施術を行う。保険の利用が可能。 |
---|---|
整体院・カイロプラクティック院 | 必ずしも資格は必要ない。保険は使えず全額自己負担 |
加えて「整骨院」と「接骨院」では、名称が異なるだけで、行われる施術内容や保険が適用される点は同じです。
むちうちを病院(整形外科)で治療するメリットとデメリット
整形外科でむちうちを治療する場合には、次のようなメリットとデメリットが挙げられます。
整形外科でむちうち治療するメリット
病院(整形外科)では、レントゲンやMRIなどで客観的に体の状態を検査でき、診断書も発行してもらえます。
また、急性期の痛みが強い時には、薬や湿布を処方してもらえる点がメリットに挙げられるでしょう。
※整骨院は医療機関ではないため、画像診断や薬の処方は行えません。
整形外科でむちうち治療するデメリット
整形外科では、むちうち以外にも患者数が多く、一人当たりにかけられる時間が短くなる傾向にあります。
また、投薬による治療ががメインで患部へのアプローチが少ないため、整骨院に比べると患部の治癒力は高めにくくなっています。
むちうちの整骨院での施術を受けるメリットとデメリット
整骨院でむちうちへの施術を受ける場合は、次のようなメリットとデメリットが挙げられます。
整骨院でむちうち施術を受けるメリット
患部を手技によって筋肉の緊張を緩めたり、骨格のゆがみを矯正したりすることで、症状の早期改善を期待できます。
急性期の炎症がおさまっても、血行不良や頚椎のズレを放置していると、痛みやしびれなどが取りきれない場合もあるのです。
また整骨院では、通いやすさもメリットに挙げられます。
夜遅くまでや土日祝も営業している整骨院が多いため、仕事終わりや休日でも通院がしやすいです。
整骨院でむちうち施術を受けるデメリット
柔道整復師は医師ではないため、整骨院では診断書を発行できません。
また、整骨院の施術は医療行為として認められず、「医療類似行為」となっています。
そのため、保険会社の担当者によっては「整骨院の施術は、むちうちの改善には必要がない」と判断されやすいことも、デメリットに挙げられるかもしれません。
しかし、保険会社は医師の判断を優先するため、医師が整骨院との併用を認めた場合はその限りではありません。
整骨院でのむちうちの施術内容について
整骨院では、主に「手技」と「物理療法」を用いて、むちうちの早期改善を図ります。
手技
緊張で硬くなった筋肉を手技でもみほぐし、首や肩まわりの血流を改善します。
血流が促されると、酸素や栄養の運搬がスムーズになるため、損傷した筋肉や靭帯などの治癒力が高まってきます。
また必要があれば、骨格の矯正を行う場合もあります。
頚椎のズレを元に戻すことで、周辺の神経や血管への圧迫も緩和しやすくなるのです。
物理療法(電気・超音波)
手技だけではなく、特殊な機械を使って、患部を刺激する場合もあります。
電気療法では、電気刺激によって筋肉の収縮・弛緩を繰り返し、血流を促進させていきます。
電気の種類によっては、手技では届かない、体の深部までを刺激することも可能です。
また、超音波療法は、超音波(人間の耳では聞き取れない高い周波数の音波:細かい振動)を利用した施術方法です。
振動によるマッサージ作用や温熱作用を用いて、患部の治癒力を高めていきます。
むちうちで整骨院を利用する際の注意点
むちうちの施術を整骨院で受ける場合には、次のポイントにお気をつけください。
必ず医師の同意をもらう
整骨院でむちうちの施術を希望する場合は、必ず医師の同意をもらうようにしてください。
上述したように、整骨院の施術は医療行為ではありません。
そのため、もし医師の同意がない状態で整骨院に通っていた場合は、「医学的には必要のない治療(施術)である」と保険会社の方から判断されるおそれがあるのです。
病院にも通う
整骨院を優先的に利用したい場合でも、必ず月に1〜2回は病院には行くようにしてください。
定期的に検査を受けることで、「医師の管理の元で、整骨院の施術が継続されている」という形を取れるようになるのです。
むちうちは病院での治療と整骨院での施術の併用がオススメ
- むちうちの治療(施術)は、病院では「湿布や痛み止めといった薬の処方」、整骨院では「患部への手技・電気療法」がメインとなる
- 病院では「画像診断を受けられる・薬をもらえる」というメリットと「患部への治療はほとんど受けられない」といったデメリットがある
- 整骨院では「患部への施術を受けられる・通いやすい」というメリットと「診断書がもらえない」というデメリットがある
- 整骨院のむちうちの施術には、手技によるもみほぐしや矯正、電気療法、超音波療法などが主に挙げられる
- 整骨院を併用するには、医師の同意が必要である
むちうちは、適切な治療や施術を受けないと、首の痛みやしびれなどが後遺症として残るおそれがあります。
病院(整形外科)と整骨院の違いをしっかりと理解し、うまく併用していくことが、むちうちの早期改善にも繋がってきます。