交通事故によるむちうちのリハビリは何をする?病院と整骨院との違いも解説
最終更新日 2024年9月11日
「病院と整骨院で、むちうちのリハビリはどう違うの?」
「整骨院では、どのようなむちうちのリハビリが行われるの?」
「リハビリを受けるためには、どのような手順が必要なの?」
これらのような疑問にお答えすべく、こちらのページでは以下のことがわかるようにまとめてあります。
- むちうちの症状
- むちうちのリハビリについて(通院先、施術内容、期間・頻度)
- むちうちのリハビリを受けるための手順、注意点
ぜひ最後までお読みになり、お悩みの解決に役立てていただければと思います。
目次
むちうちの原因と症状
むちうちとは、前後や左右に頭が大きく振られることで生じた、首まわりの負傷をいいます。
受傷時に首がムチのようにしなるため、「むちうち」と呼ばれています。
むちうちでみられる症状例は、以下の通りです。
- 首の痛み
- 首の可動域制限
- 背中や肩の張り感
- 腕や手のしびれ
- 頭痛、めまい
- 倦怠感
これらが特徴的な症状です。
交通事故の衝撃によって、頚椎周辺の筋肉や靭帯の損傷が起こりやすくなっています。
そのため、首の痛みや動かしにくさがむちうちの主な症状です。
また、事故の状況によっては神経を損傷する場合もあり、しびれや自律神経系の症状など、さまざまな不調を生じる可能性があります。
むちうちのリハビリについて
むちうちは頚椎周辺に炎症が起こるため、受傷直後は安静が大事になります。
また、炎症が落ち着いたら、後遺症を残さないためにリハビリも欠かせません。
ここでは、むちうちになった際のリハビリについて、詳しくご紹介していきます。
むちうちのリハビリの通院先
むちうちのリハビリが受けられるのは、以下のような施設が挙げられます。
整形外科
医療機関では、おもに整形外科にてむちうちの対応がされます。
医師の診察や治療が行われることが、他の施設にはない特徴です。
痛み止めの注射や薬、湿布などの処方が治療のメインになります。
また病院によっては、軽い電気療法や理学療法士、柔道整復師の施術が行われていることもあります。
整骨院
柔道整復師による施術が行われる施設です。
整骨院には医師がいないため、レントゲン、MRIといった画像検査や診断は行われません。
薬や湿布で対応する整形外科とは違い、整骨院では実際に患部を触り、筋肉の緊張を緩めたり、血流を促したりしていきます。
鍼灸院
整骨院と同様に医師はおらず、鍼灸師による施術がメインとなる施設です。
鍼やお灸によって経穴(ツボ)を刺激して、身体が本来持っている自然治癒力を高めていきます。
鍼灸による施術は、自律神経の調整にとくに優れています。
症状に合わせてうまく併用する
上記で挙げた施術所は、どこが良い・悪いという区別はありません。
- 事故直後は、病院で検査を受ける
- 痛みが強い場合は、病院で薬を処方してもらう
- 可動域の早期改善のために、整骨院や鍼灸院で施術を受ける
上記のように、お身体の状態に合わせて上手く併用することが大切です。
むちうちに対するリハビリ方法
各院によって多少の違いはありますが、一般的に整骨院では、以下のようなリハビリが実施されています。
もみほぐし
むちうちでは、痛みをかばうために頚椎周辺の緊張が強まりやすくなっています。
その硬くなった筋肉を手技によってほぐし、血流を促すことで患部の治癒力を高めていきます。
触る箇所は首だけとは限りません。
むちうちの痛みや可動域制限に関連していれば、腕や背中など離れた箇所の筋肉をほぐしていく場合もあります。
骨格の矯正
関節に適度な圧を加えることで、骨格を元の正しい位置に矯正していきます。
むちうちは安静にしていれば、自然と痛みが取れてくることがあります。
しかし、骨格のゆがみが残っている場合は神経が圧迫されて、しびれや自律神経症状が取りきれない場合もあるのです。
もみほぐしや骨格の矯正などによって、むちうちの根本からの改善を期待できます。
電気療法
電気刺激を利用して、筋肉の緊張をほぐしていきます。
電気の周波数によっては、手技では届かない深層の筋肉や組織に刺激を加えることが可能です。
また、炎症や痛みを軽減するために、マイクロカレント(微弱電流)を利用する場合もあります。
超音波療法
超音波の温熱作用によって、筋肉の緊張をほぐしたり、血流を促進したりします。
超音波とは、人間の耳では聞き取れない高い周波数の音波のことです。
音波は細かい振動になっており、身体の深部にまで刺激を加えられるようになっています。
電気のようなピリピリ感や痛みは感じないため、強い刺激が苦手な方でも安心して受けられる施術になります。
セルフケアや姿勢のアドバイス
直接の施術ではありませんが、必要があれば自宅でできる簡単なストレッチや体操の方法をアドバイスします。
また、首への負担を減らすために、姿勢や身体の使い方など日常生活で気をつけるポイントなどもお伝えしています。
整骨院での施術と自身でのケアを組み合わせることで、より早期の症状改善が期待できるでしょう。
むちうちのリハビリ期間と頻度について
一般的にむちうちのリハビリ期間は3ヶ月程度とされます。
しかし、状態によって個人差が大きく、1週間程度で回復する場合もあれば、6ヶ月を経過しても症状が取りきれず、症状固定と判断されるケースもあります。
また、治癒までの期間は来院頻度によっても変わってくるでしょう。
来院頻度が少ないと治癒力が上がりにくくなるため、症状改善までに時間がかかりやすくなります。
最初はなるべく頻度を詰めて治療や施術を受けます。
そして状態が落ち着いたら、様子をみて間隔を徐々に開けていくことが一般的です。
仕事が忙しい方でも、週に1〜2回以上は通院することが理想とされます。
あまりにも頻度が少ない場合は、「治療が必要ないのではないか」と保険会社の方に判断され、補償が受けられなくなる可能性もあるため、注意が必要です。
むちうちのリハビリを受ける方法と手順について
自賠責保険を利用して、むちうちのリハビリを受けるためには、適切な手順を踏む必要があります。
事故後から順を追って確認していきましょう。
1.警察へ届け出を行います
交通事故に遭いましたら、必ず警察へ連絡してください。
賠償や慰謝料の請求時に必要な「交通事故証明書」は、警察へ届け出ていないと発行してもらえません。
また、警察へ連絡しましたら、免許証や車検証などで相手の個人情報を確認して、目撃者がいれば証言者になってもらいましょう。
2.病院に行って診察を受けます
なるべく早めに病院に行って、医師の診察を受けてください。
保険を利用する際には、医師の診断書が必要になります。
むちうちは事故直後には、自覚症状が乏しい場合も多くなっています。
しかし、事故から時間が経つと、体の不調と事故のつながりを証明できなくなる可能性があるため、なるべく早めに病院に行くようにお気をつけください。
3.医師の同意をもらいます
もし整骨院でリハビリを希望される場合は、医師の同意が必要となります。
また、あらかじめ相手側の保険会社にも、確認をとっておくようにしましょう。
勝手に併用していた場合、整骨院での施術に保険が適用されない可能性があります。
4.改善が望めない場合は、後遺障害認定を申請します
6ヶ月を目安に「これ以上リハビリを続けても症状が改善しない」といった症状固定の状態になると、補償が打ち切りとなります。
そこで医師の診断書や必要書類を提出し、後遺障害に認定されましたら、相応の慰謝料などを請求できます。
しかし、定期的に病院に通院していなかった場合は、後遺障害の認定が難しくなります。
整骨院をメインにリハビリを受ける場合でも、月に2〜3回は病院にて診察を受けるように気をつけましょう。
打ち切りと言われた場合の対処法
保険会社の方から、補償の打ち切りを打診されることがあります。
もし痛みが残っていて、リハビリの継続を希望する場合は、医師にその旨を相談するようにしましょう。
もちろん期限はありますが、基本的には症状が改善するまでリハビリを続けられるようになっています。
むちうちはリハビリできちんと治しておきましょう
- むちうちは、首の痛みや動かしづらさが主な症状である
- むちうちのリハビリは、病院や整骨院、鍼灸院などで受けられる
- 整骨院では、手技や電気療法によってむちうちのリハビリが行われる
- むちうちのリハビリ期間は、およそ3ヶ月ほどである
- むちうちのリハビリを受けるためには、警察への届け出や医師の診断書が必要である
首の痛みやしびれといったむちうちの後遺症を残さないためにも、しっかりとリハビリを行い、患部を治癒させることが大切です。
整骨院でも病院と同様に自賠責保険を利用して、リハビリを受けられます。
「安静にしても症状が変わらない」「病院だけでは改善が望めない」といった方は、お気軽に当サイトサポートセンターへご相談ください。