軽いむちうちは自分で治せる?治療先やセルフケアの方法について
最終更新日 2024年9月11日
- 「軽く衝突した程度でも、むちうちになるの?」
- 「軽いむちうちは、自分でケアできるの?」
- 「軽いむちうちでも、病院は行くべきなの?」
このような疑問にお答えすべく、こちらの記事では次のことがわかるようにまとめてます。
- むちうちについて(原因や症状)
- 軽いむちうちを治療できる施設
- 軽いむちうちへのセルフケアの方法
- 軽いむちうちでも医療機関に行くべき理由
ぜひ最後までお読みになり、疑問や不安の解消に役立てていただければと思います。
目次
むちうちについて
むちうちは、交通事故時に発生しやすい首まわりの組織(筋肉、靭帯、血管など)の損傷です。
後方や側方から突然追突され、頭が大きく振られることで発症します。
負傷時に首がムチのようにしなるため、「むちうち」と呼ばれていますが、正式な負傷名ではありません。
医師の診断書には、「頚椎捻挫」「外傷性頸部症候群」などと記載されます。
また、交通事故以外でも「コンタクトスポーツでの激しい衝突」「スポーツや日常生活中の転倒」などでも、発症する可能性はあります。
むちうちの種類と症状
一口にむちうちといっても、損傷した部位によって、次の5つに分類されます。
頚椎捻挫型
首が強く伸ばされたり、ひねられたりすることで、頚椎周辺にある靭帯や筋肉を損傷したものです。
むちうちの70%〜80%がこちらのタイプだと言われています。
頚椎捻挫型では、首の痛みや動かしにくさ(上下や左右を向きにくい)、肩や背中のハリ感、頭痛などが主な症状になります。
神経根損傷型
頚椎のゆがみや血管損傷による腫れで、神経根(末梢神経の根元)が圧迫されたものです。
感覚神経や運動神経の伝達が阻害されることで、腕から手にかけてのしびれ・放散痛・力の入りにくさなどを生じる場合があります。
脊髄症状型
事故の衝撃で、頸髄を損傷したものです。
手や足のしびれ、知覚異常などが主な症状になります。
バレーリュー症候群型
自律神経(特に交感神経)への刺激によって、様々な不調が起きたものと考えられています。
頭痛やめまい、耳鳴り、眼精疲労といった症状がみられることがあります。
脳脊髄液減少症
脳や脊髄を包んでいる硬膜が破れ、脳脊髄液が漏れ出たものです。
起立性の頭痛やめまい、倦怠感、めまい、視力の低下などがみられる場合があります。
軽い衝突でも、むちうちになるの?
「衝突はされたけど、車には大した傷はついていない。そんな軽い事故でもむちうちになるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
むちうちといえば、激しく体が揺さぶられるシーンを思い浮かべるかもしれません。しかし、コツンと当たった程度の事故でも、むちうちになる可能性は十分にあります。
シートベルトを着用しても首は固定されていません。
そのため、小さな衝撃であっても首を痛めることはあるのです。
事故直後はなんともなくても、時間が経ってから、肩や背中のコリ感、鈍痛といった形で症状を自覚する方が多いようです。
軽いむちうちの治療について
たとえ軽いむちうちであっても、治療せずに放置していると症状が悪化したり、回復までに時間がかかる可能性があります。
ですので、症状が軽いからと言って軽視せず、適切にケアをすることが大切です。
こちらでは、むちうちになった際の治療法についてご紹介いたします。
軽いむちうちの治療先と治療内容
首の痛みや筋肉のハリ感など、軽いむちうち症状がある場合には、「病院(整形外科)」「整骨院」「接骨院」「鍼灸院」での治療や施術が有効とされています。
各々の医療機関にて、どのような施術が行われているのか詳しく解説します。
病院(整形外科)
病院では、湿布や薬による治療がメインです。
薬の成分で痛みを抑えつつ、安静にして回復を待つ場合が多いです。
直接患部に施術を加えるというよりも、レントゲンやMRIによって、体の状態を客観的に検査することが、病院の主な役割と言えます。
整骨院・接骨院
軽いむちうちの場合、整骨院・接骨院では手技や物理療法をメインに施術します。
手技や電気、超音波などの刺激で筋肉の緊張をほぐし、血流を促していきます。
また必要があれば、体を動かすことで柔軟性の向上や血流の改善を図る、運動療法を取り入れる場合もあります。
病院とは違い、直接患部を触って治癒力を高めていくことが、整骨院・接骨院の施術の特徴です。
鍼灸院
鍼灸院では、鍼やお灸を使用した施術がメインです。
鍼の刺入やお灸の熱で経穴(ツボ)を刺激し、経絡(エネルギーや血液、体液の流れる通路)の状態を整えていきます。
経穴は全身に分布しているため、鍼灸では患部以外の箇所を施術することもあります。
筋肉の緊張を緩和したり、血流を促したりすることはもちろん、鍼灸施術は自律神経の調整にも優れています。
軽いむちうちは自分で治せる?
軽度のむちうちであれば、ご自身での処置も可能な場合があります。
その際は、急性期と慢性期で対処を変えていくことが大切です。
急性期(受傷直後)に自宅でできるむちうちセルフケア
炎症が強く出ている時期の対処法は、冷却と安静がメインに行います。
患部を冷却する
受傷直後は、患部をアイシングしましょう。
氷嚢に氷と少量の水を入れて、痛みや熱っぽさを感じる箇所に当てて冷やします。
冷やすことで患部の血管が収縮し、炎症の広がりを抑えられます。
冷やしすぎになると、患部の血流が悪くなったり、筋緊張が強まったりするおそれがあります。
そのため、15分を目安に一旦冷却をやめて、痛みが戻ってくるようであれば、再度冷やすようにしましょう。
また、タオル越しに氷水を当てるようにすると、冷やしすぎを防止できます。
安静にする
炎症を悪化させる可能性があるため、痛みが出る動作はなるべく避けて、患部を安静にしてください。
首の痛みが強い場合は、頚椎カラー(首のコルセット)を着用すると、痛みがやわらぐことがあります。
また、タオルを首に巻いて顎を乗せるようにすることでも、頸部の安静を保ちやすくなります。
慢性期(炎症が落ち着いた時期)のセルフケア
むちうち患部の炎症や熱っぽさが落ち着いてきたら、今度は温めるようにしましょう。
痛みが残る場合もありますが、無理のない可能な範囲で患部を動かすようにしてください。
患部を温める
受傷後2~3日を目安に炎症は落ち着いてきます。
炎症の落ち着きを確認した段階で患部を温めて、血行を促すようにしましょう。
蒸しタオルやホットパックなどを首のまわりや背中、肩などに当てて温めます。
また、湯船にゆっくりと浸かり、体を内側から温めることも緊張の緩和に有効です。
無理なく可能な範囲で動かす(ストレッチ)
安静はもちろん大事です。しかし、動かなさすぎると患部の血行を悪化させ、改善までに時間がかかることがあります。
痛みを感じる場合などは無理をする必要はありませんが、できる範囲での日常生活動作は行うようにしてください。
また、首肩まわりのストレッチや体操などを行うことで、痛みの緩和と可動域の早期改善を期待できます。
体が温まっている、お風呂上がりに行うことがおすすめです。
- 頭を横や後ろ、前方に倒して、首の筋肉をゆっくり伸ばす
- 両腕を後方に引いて、胸を開くようにする
- 肘を肩の高さより上に挙げて、ぐるぐると回す
といったストレッチ、体操方法が挙げられます。
軽症でもなるべく早めに整形外科を受診するべき
たとえ軽い衝突であっても、事故後はなるべく早めに整形外科でみてもらうようにしてください。
時間が経ってからだと、事故との因果関係を認めてもらえない場合があるためです。
特にむちうちは、症状が遅れて出やすいことが大きな特徴ですので、軽視せずに受診する事をおすすめします。
むちうちは遅れて症状が出やすい
むちうちは事故直後は異常を感じなくても、事故から数時間、数日経ってから痛みを感じ始めることが多いのが特徴です。
その理由には、事故に遭ったというショックで脳が興奮状態になり、アドレナリンが脳内に分泌されることが考えられます。
アドレナリンの作用で、一時的に痛みが抑えられてしまうのです。
そして事故発生から時間が経ち、アドレナリンの鎮痛作用がおさまったところで、痛みを感じ始めることが考えられます。
事故とむちうちの因果関係を認めてもらえない可能性がある
たとえコツンと当たった程度の衝撃でも、首の筋肉や靭帯を痛めて、むちうちになる可能性はあります。
もし、事故から時間が経ったあと、首の痛みやしびれ、頭痛などを感じてから医療機関に行ったとしても、交通事故と体の不調の因果関係を認めてもらえないおそれがあるのです。
保険会社は医師の診断書を元に症状を把握します。
そのため「交通事故で首を痛めた」という診断書がもらえないと、自賠責保険を使っての治療・施術を受けられなくなる場合もあります。
このような理由から「軽い事故だから大丈夫」とそのままにせず、必ず整形外科を受診するようにしてください。
整骨院・接骨院での施術も受けられます
急性期の炎症が落ち着き、慢性期に入りましたら、整骨院・接骨院での施術が効果的です。
筋肉の緊張を緩めたり、骨格のズレを矯正したりすることで、首まわりの痛みやハリ感、しびれなどが改善されやすくなります。
自賠責保険を使って整骨院で施術を受ける際には、必ず医師の同意をもらい、保険会社の方にも相談するようにしましょう。
軽いむちうちでも整形外科の受診と治療は怠らないように!
- 軽い衝突であっても、むちうちになる可能性はある
- 軽いむちうちへの治療、施術は、整形外科や接骨院・整骨院、鍼灸院で受けられる
- 軽いむちうちへのセルフケアには、冷却や安静、ストレッチなどが挙げられる
- 事故と痛みの因果関係を認めてもらえない可能性があるため、軽い衝突でも医療機関を受診することが大事である
交通事故に遭った際には、まずむちうちが疑われます。
自覚症状がなくても、なるべく早めに整形外科で検査を受けるようにしてください。
また、受傷直後の炎症が落ち着いたら、接骨院・整骨院での施術が、むちうちの早期改善に有効とされています。
むちうちの症状でお困りの方は、当サイトサポートセンターへお気軽にご相談ください。