後続車からのあおり運転の罰則と対処法
最終更新日 2024年9月11日
車を運転していると、たまに後ろを走っている車が挑発してくる事があります。いわゆるあおり運転です。
報復などを目的に、あおり運転しているケースも多いですが、それは明確な交通違反になるのです。そのような危険を感じる後続車が現れた時は、道を譲るか安全な場所に移動するべきです。
また煽られたからと言って、車から外に出るべきではありません。基本的にはドライブレコーダーを用意しておき、何かあったら警察に相談すべきです。
目次
あおり運転による事故と後続車のルール違反
急接近などで威嚇や挑発してくるあおり運転
あおり運転とは、後側を走っていた車が急接近してくるような運転です。近くを走っていた車を驚かせたいなどと思い、後ろから急接近してくるケースもたまにあるのです。後ろから急に近づいてくると、前側を走っていた車は驚いてしまうでしょう。
混乱してしまい、ハンドル操作を誤ってしまうケースも多々あるのです。後ろから来る車が怖いので、前方不注意の状態になってしまい、交差点で交通事故を起こしてしまうケースもあります。
またあおり運転は、二次以外も要注意です。挑発してきた車の運転手と口論になってしまうケースもあります。それも含めて、あおり運転には下記のようなケースがあります。
- 前を走っている車を無意味に追い回す
- ハイビームで前側の車を脅かす
- 蛇行運転
- 幅寄せで並行して走ってきて威嚇
急ブレーキの事故が多いあおり運転と車間距離
あおり運転にも色々なパターンがありますが、急ブレーキ事故などは多いです。後ろから来た車が挑発してきて、前側を走っていた車はとても怖いと思いました。それでうっかり急ブレーキを踏んでしまい、交通事故になってしまうパターンが多いのです。
交通ルールでは、急ブレーキを踏むのは大きなペナルティーもあります。となると、一見すると急ブレーキを踏んだ本人に非があるように思われるかもしれません。
しかし、実際は後続車に非があるのです。そもそも前側を走っていた車としては、後ろから挑発される事がなければ、急ブレーキを踏んでいなかったでしょう。という事は、後ろを走っていた車に原因があるのです。
そして道を走っている車は、なるべく距離を取る必要があります。車同士の距離が近いと、衝突してしまう可能性があるでしょう。車間距離は広くするべきなのですが、後ろから煽られてしまえば、車間距離は縮まってしまいます。ですから後続車は、交通違反している訳です。車間を詰めて相手にプレッシャーを与える行為は道路交通法26条に違反します。
あおり運転にはどう対処すると良いか
道を譲ってあおり運転に対処する
では道であおり運転に遭った時はどうすれば良いかというと、主に下記のような対応策があります。
- 後ろの車に道を譲る
- 安全な場所に移動する
- ドライブレコーダー
あおり運転は、上記1つ目の道を譲る事でたいてい対応できます。難しいかもしれませんが、後ろから煽られたとしても過敏に反応するべきではありません。それこそ煽っている側の思うつぼになってしまう可能性があります。
できる限り焦らずに、自分のペースで道を譲っておくのが一番です。それでも煽ってくる時は、無視するよう心がけるべきです。
安全な場所に逃げる対処法と警察への連絡
ですが後続車のドライバーによっては、しつこく煽ってくる事があります。道を譲ろうとするにもかかわらず、執拗に挑発してくるドライバーもいます。
その場合は、やはり安全な場所に移動すべきです。近くにサービスエリアがあるなら、速やかに移動する方が良いでしょう。後続車がいなくなるまでは、ひとまずサービスエリアでやり過ごします。
その上で、警察に連絡するのが一番良いでしょう。
サービスエリアで停止していても、相手がしつこく詰め寄ってくる事もあるからです。しかし詰め寄ってきても、車の外に出るべきではありません。面倒な口論になってしまい、二次被害に発展してしまうケースもありますし、相手から報復されてしまう事もあるのです。決して車の外に出るべきではありません。
なお警察に連絡しますと、色々な情報を聴取されます。下記のような内容を聴取されますから、情報が多い方が有利になるでしょう。
- 現在地や状況
- 具体的にどういう被害に遭ったか
- 煽ってきた車のナンバーと車種
- 進行方向
あおり運転に対処する為のドライブレコーダー
またあおり運転で交通事故になれば、やはり事故の状況を主張する事もあるでしょう。相手との示談になるケースも多く、証拠も提示する必要があります。
どうすれば証拠を提示できるかというと、上記でも触れたドライブレコーダーなのです。ドライブレコーダーには、自動車の周辺に関する映像が記録されていて、後続車が煽ってきた光景も録画されている事があります。その映像があるだけでも、相手との示談交渉は随分有利になるのです。ですから車には、やはりドライブレコーダーを実装しておくに越した事はありません。
もしもドライブレコーダーの費用を捻出するのが難しい時は、ダミーでも構いません。レコーダーが設置されていると、相手が警戒してくれる事があります。
あおり運転に関する罰則と弁護士への相談
あおり運転は罰則はどうなるか
あおり運転にはどのような罰則が適用されるかというと、車間距離保持義務違反(道路交通法第26条)・急ブレーキ違反(道路交通法第24条)・車間距離不保持(道路交通法第26条)・急な割り込みや前方を走って進路変更をしつこく繰り返す→進路変更禁止違反(道路交通法第26条の第二2項)・追い越し違反(道路交通法第28条)・減光等違反(道路交通法第52条第2項)・警音器使用制限違反(道路交通法第54条)・安全運転義務違反(道路交通法第70条)・わざとノロノロ走って後続車をイライラ不快にさせる(逆あおり運転)→高速道路での最低速度違反(道路交通法第75条の4)・高速自動車国道等駐車違反(道路交通法第75条の8)・通行区分違反(道路交通法第17条)などがあげられます。
通行区分違反とは、逆走や直進レーンで右折するなどの運転行為になります。
減光等違反とは、ハイビームで前の車を照らしたりする運転行為になります。
あおり運転は、上記の交通違反に該当しますが、それ以外の罪にも問われる可能性があり、2020年6月に改正道路交通法により新設された『妨害運転罪』に問われる可能性が非常に高いのです。上記でも少々触れた通り、高速道路などを走っている車は、距離を取る必要があります。車間距離が広ければ、車が衝突してしまうのを防ぐこともできるでしょう。
前側の車を挑発する為に急接近するのは、車同士の距離を縮めてしまう訳です。交通ルールに違反しているのは明らかでしょう。
それに違反した時は、刑事罰では、3ヶ月以下の懲役刑または50万円以下の罰金が科せられます。行政罰では、免許取り消し、違反点数25点、欠格期間2年などの罪に値します。また、高速道路上で他の車両を停止させるなどして著しい交通の危険を生じた場合は、刑事罰では5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。行政罰では、免許取り消し、違反点数35点、欠格期間3年などの罪に値します。しかし、過去に起きた事故では、それよりも重い罪が課せられたケースもあります。事故の被害者が重症だった時などは、10年以上の懲役になる事もあります。
またあおり運転は、近年では社会問題になっています。それだけに厳罰化している傾向があり、たとえ交通違反の点数が累積していなくても、免許取り消しになる可能性があります。
あおり運転は弁護士に相談する方が良い理由
あおり運転に遭った時は、やはり交通事故に強い弁護士に相談すべきです。交通事故の被害に遭えば、相手と示談になる事もあるでしょう。
被害者1人で相手と交渉するのは、とても大変です。ドライブレコーダーがなければ、証拠を提示するのも難しいでしょう。
しかし、交通事故に精通した弁護士なら、様々なデータや記録などを元にあおり運転による事故の被害を実証してくれます。相手側の保険会社との示談交渉も、弁護士は代行してくれるのです。
そして、あおり運転は、相手に慰謝料を請求する事もできます。しかし被害者1人では慰謝料の金額が安くなってしまう事も多々あるので、弁護士に相談する方がやはり無難です。弁護士は、あおり運転の証拠を提示してくれますし、交渉も有利に進みやすくなるからです。
後側から来た車が執拗に挑発してくれば、気持ちが焦ってしまう事もあるでしょう。それで急ブレーキを踏んでしまいたくなる事もありますが、やはり冷静に対処すべきです。
基本的には道を譲るようにして、相手が詰め寄って来た時も、車の外に出るべきではありません。その事故を防ぎたいなら、ドライブレコーダーは準備しておく方が良いでしょう。
そして交通事故に強い弁護士に相談して、相手との示談を進めていく方が良いでしょう。