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    交通事故での休業損害請求が出来る人と出来ない人の違い

    2021.10.04
    交通事故での休業損害請求が出来る人と出来ない人の違い

    最終更新日 2024年9月11日

    交通事故で負傷してしまうと、働けなくなってしまう事があります。

    ほぼ腕が動かないような状態になると、仕事も難しくなってしまうでしょう。それでは収入が入ってきませんから、被害者は加害者に休業損害という形でお金を請求します。

    ただし状況によっては休業損害が支払われない事もありますから、注意が必要です。なお加害者側の保険会社から提示される金額が妥当でないと思われる時は、弁護士に相談してみる方が良いでしょう。

    交通事故で休業損害が支払われるケースとその計算方法

    休業損害が支払われないこともある

    勤務先から給料を受け取っている人であれば、基本的には休業損害は支払われます。ですので会社員やアルバイトで働いている方は、休業損害が支払われるのです。自営業者も支払われますし、専業主婦にも休業損害が支払われます。

    一方で家賃収入などの不労所得を得ていた収入に関しては支払われません。

    休業損害は、労働によって得られる収入が対象です。

    家賃収入不労所得であると見なされるので、たとえ事故で働けなくなったとしても、減収であるとは認められません。ですので無職の人も、事故により減収が生じていないため、基本的には休業損害を請求する事はできません。

    ただし事故当時無職であった場合でも就労予定の場合は、話は別です。すでに内定先が決まっていて、そこで働く事も確定していた時には、休業損害は支払われます。

    休業損害の基礎収入の計算方法

    休業損害の金額の算出方法は、基礎収入に休業日数を掛け算します。例えば基礎収入が1日6,000円で、10日間休んだ時には60,000円支払われます。

    ただし基礎収入の計算方法は、働き方によって異なります。働き方は、次のように複数あります。

    • 会社員・サラリーマン
    • アルバイト
    • 派遣社員
    • 自営業
    • 専業主婦

    サラリーマンの場合は、直近3ヶ月分の収入の平均値を基礎収入であるとみなします。アルバイトもサラリーマン同様です。自営業者場合は、年収を基準に算出します。例えば年収500万円であれば、365日で割り算して約13,700円が日額の基礎収入です。

    主婦の場合は、賃金センサスというデータを活用します。賃金センサスを元に1年分の平均収入を確認し、365で割った日額が基礎収入です。

    なお自賠責基準では、基礎収入の最低金額は6,100円ですが、弁護士基準では実収入を元に計算します。

    休業損害の休業日数の注意点

    休業日数は、やや注意が必要です。通院日について、必ずしも休業であると認められない事もあるからです。

    例えば基礎収入は1日6,500円で、通院日数は20日だったとします。しかし20日の内の15日のみ認められ、5日間は休業とは認められない事もあるのです。その場合は支払い総額は97,500円であり、13万円ではありません。

    認められる休業日数は、あくまでも「必要性がある休業」に限定されます。本来は行く必要もないのに、故意に通院していた時などは休業であるとは認められません。

    休業日数を多くしたい時は、証拠を提示する必要があります。「医師の指示」によって休んでいた時は、その証拠が必要なのです。

    サラリーマンに関する休業損害

    サラリーマンの休業損害で気をつけるポイント

    サラリーマンが休業損害を請求する時は、注意すべき点がいくつかあります。次のような場合は、注意すべきです。

    • 有給を使った
    • ボーナスが減った
    • 昇進がなくなった
    • 退職

    1つ目の「有給を使った」場合について、実は有給で休んだ時にも休業損害のお金は請求できます。交通事故の怪我や症状で治療する時は、有給を使って問題ありません。

    2つ目の「ボーナスが減った」場合について、交通事故によってボーナスが減ってしまう事もあります。売り上げが減ってしまうと、ボーナスが減額される実例もありますが、実はボーナス減額分のお金も休業損害で請求できます。もちろん証拠を提示する必要があります。

    3つ目の「昇進がなくなった」場合も同様です。昇進すれば給料が高くなる事も多いので、昇給分のお金も請求できます。

    4つ目の「退職した」場合について、交通事故の治療期間が長引いてしまうと、人によっては会社の退職を余儀なくされてしまう事もあります。事故の治療期間が原因で解雇になった時でも、休業損害が請求できる場合もあります。

    基本的には退職日から症状固定までの日数分を請求できます。ですから退職してから40日経過した時に症状固定になり、基礎収入が7,000円だった時は、28万円支払われるのです。

    休業損害と労災の併用がおすすめ

    労災には休業補償給付という制度があります。通勤中や業務中の交通事故であれば労災社は休んだ分の給料も支払ってくれるのです。

    休業1日につき、給付基礎日額の80%(休業(補償)給付=60%+休業特別支給金=20%)が支給されます。

    引用元:厚生労働省

    労災による支払い額には上限があって、最大6割です。さらに別途で休業特別支給金も2割分だけ支払われますから、労災なら最大8割は支払われます。

    このように労災から支払われるお金は、休業補償と呼ばれますが、休業損害と扱いは別です。

    労災から休業補償を受け取ると、休業損害は減額されますが、いずれにせよ休業損害の金額が上限ですので、決して併用して損をすることはありません。

    休業損害から40%支払われる事になり、労災からは最大80%支払われるので、実質的には120%分支払われます。ですので労災が使えるなら、それも併用する方がお得です。

    休業損害に関する保険会社とのやり取りを弁護士に任せる

    休業損害の提出先と必要書類

    休業損害の提出先は、保険会社です。源泉徴収票など所得が分かる書類を準備し、保険会社から休業損害証明書を取り寄せして、保険会社に郵送します。

    保険会社に提出した後に確認が行われ、お金が支払われます。ただし示談内容がまとまった後に、請求したお金が支払われます。

    休業損害の交渉は弁護士に相談

    1つ注意を要するのは、保険会社は休業損害の支払を渋ってくる事があります。

    例えば専業主婦は働いていないので、休業損害は認めないと主張してくる事もあれば、昇進分のお金は認めないと主張してくる事もあります。そのように言われると、被害者側としては困ります。

    このように保険会社が主婦休損について提示してこない場合もあるので、請求前に交通事故に精通した弁護士に相談するのが一番です。一般の主婦が保険会社と示談交渉するハードルは、とても高いです。被害者自身で示談を行ってみても、不利な条件を飲まざるを得なくなる事があります。交通事故に精通した弁護士に依頼すれば示談交渉を代行してくれますから、精神的な負担が軽減されてとても楽です。

    また弁護士に依頼すれば、交通事故の対処法に関して様々なサポートしてくれます。専門家のアドバイスを受けられるメリットは大きいでしょう。ただし、弁護士はある程度慎重に選ぶ方が望ましいです。できれば、交通事故に精通している弁護士に相談してみる方が良いでしょう。

    いずれにせよ交通事故で働けなくなったとしても、その分の収入は相手に請求できます。

    不労所得者では少々難しいですが、専業主婦やアルバイトの方でも休業損害を請求できるのです。基本的には、基礎収入に休業日数を掛け算した金額を休業損害として請求しますが、保険会社によっては請求内容を認めてくれない事があります。主婦の休業損害は自賠責基準では1日当たり6,100円です。

    休業損害の請求についてお困りの場合は、やはり交通事故に精通した弁護士事務所に相談してみる方が無難です。交渉も代行してくれますし、一度検討してみると良いでしょう。被害者側の保険に弁護士費用特約が付いている場合は無料で弁護士を頼むことが出来ます。保険会社からの紹介された弁護士にそのまま依頼するのではなく、なるべくご自身でインターネット等で交通事故に精通した弁護士を探される方が被害者さんのメリットは大きいと思われます。

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    派遣社員の場合でも交通事故の休業損害は支払われるのか?

    派遣社員の場合でも交通事故の休業損害は支払われるのか?

    交通事故で体を動かすのが困難になると、働けなくなってしまう事があります。

    しばらくは治療に集中する事になるので、会社を休んでいる方も少なくありません。その際、休んだ分の収入休業損害として加害者の保険会社に請求する事ができます。

    ただ人によっては、派遣社員として働いている事があります。派遣社員でも休業損害は支払われるか不安になっている方も多いです。派遣社員でも休業損害は支払われますが、注意すべき点はあります。

    派遣社員に対する休業損害を算出する方法

    派遣社員も休業損害の請求は可能

    交通事故で働けなくなってしまう実例は、比較的よくあります。働けないと収入も入ってきませんから、生活にも大きな支障が生じてしまうでしょう。ですから被害者としては、加害者の保険会社に減収分のお金を休業損害として請求している訳です。

    会社勤めをしていれば、基本的にはお金は支払われます。派遣社員も例外ではありません。派遣でもお金は稼いでいる訳ですから、請求する事は可能なのです。

    休業損害の金額を算出する方法

    休業損害の具体的な金額を計算する方法ですが、まずは基礎収入と休業日数という2つの数字を確認します。その2つの数字を掛け算して、休業損害の金額を算出するのです。

    サラリーマンの場合は、最近3ヶ月分の収入の平均値を見て、基礎収入を確認します。過去3ヶ月の平均日給は7,000円だった時は、その7,000円が基礎収入になる訳です。それで15日間休んでいた時には105,000円支払われ、20日休んでいた時は14万円といった具合です。

    派遣社員は賃金センサスを利用する事もある

    派遣社員の場合、やや収入が低い事があります。人によっては、日給に換算すると5,000円に満たない事さえあります。それでは休業損害の金額もかなり低くなってしまうのです。

    もしも金額が低すぎる時は、賃金センサスを活用するといった方法もあります。賃金センサスで平均値を調べた上で、大まかな収入目安額を確認して、休業損害を算出する方法もあります

    派遣社員の休業日数について

    派遣社員の場合、働いていない期間が生じる事があります。基本的には短期雇用ですので、空白期間が生じてしまう事はあるのです。

    例えばある年に1月から3月までの契約を結び、その間は働きました。そして4月頃に新たな派遣先を探し、ようやく5月スタートの仕事が見つかったとします。という事は、4月は働いていない訳です。この4月を休業と見なすかどうかは、それこそ状況次第です。基本的には安定性に左右されると見て良いでしょう。

    5月以降に仕事がスタートする事が確定していて、今後も安定的に派遣先が見つかりそうなら、4月に休んでいた分も休業日数に含められるケースは多いです。逆に、5月以降に仕事が見つかる可能性がほぼゼロなら、休業とは認められない可能性があります。

    派遣と専業主婦の休業損害の主な違い

    派遣社員の賃金センサスの基礎収入が専業主婦よりも低い理由

    派遣社員の休業損害は、たまに専業主婦と比較されることがあります。実は基礎収入は、専業主婦よりは不利になる事があるのです。

    専業主婦の場合、少なくとも本人が収入を得ている訳ではありません。お金は入ってきていませんが、主婦業も立派な仕事であると見なされているのです。実際、子育てや家事は非常に大変です。

    そこで専業主婦に対する基礎収入を算出する時にも、上述の賃金センサスを活用しますが、場合によっては派遣社員より有利になることがあります。

    専業主婦と派遣社員の休業損害の争点

    専業主婦の場合、休業日数は「本当に休業する必要はあったのか」が争点になるケースが多いです。家事を休むべきだったのかどうか、議論の争点になる事例は多々あるのです。休むべきであると判断されれば、もちろんその分の休業損害は支払われます。

    それに対して派遣の場合、「派遣期間が終了した後」の休業が争点になる事が多いです。上記の4月のようなパターンは、多々あるのです。もちろん派遣社員としても、「本当に休むべきだった」事を証明する必要があります。休む必要がないと判断されれば、休業損害は支払われませんから、証拠を提示して証明する必要はあるでしょう。

    休業損害に関する保険会社の主張と弁護士相談

    保険会社から低めな休業損害の金額を提示された場合の対処法

    派遣の場合、上記の争点は決して軽視できません。加害者側の保険会社の主張は、十分注意を要するでしょう。

    というのも保険会社は、派遣社員本人の主張を認めてくれないケースが多々あるからです。本人としては300万円支払って欲しいのに、保険会社は200万円台が妥当であると主張してくるケースが多々あります。その際に、上記の4月のような時期がポイントになるのです。

    4月のような状況ですと、派遣社員としては働いていませんから、収入を得ていない期間であると判断されます。収入を得ていないにもかかわらずお金を支払う理由はないと主張される事は、実際あるのです。

    なぜ保険会社が上記のように主張してくるかというと、利益を上げるためです。保険会社としても利益を追求していますが、保険金として300万円支払えば負担が大きくなってしまうでしょう。そこで支払い額を少しでも減らすために、やや低めの金額を提示してくるケースが多々あるのです。

    保険会社との休業損害の交渉は弁護士に相談

    上記のように強気に主張してくる保険会社と示談交渉するハードルは、かなり高いです。保険会社も示談交渉に慣れているケースが多く、派遣社員の方の場合と不利な条件を飲まされてしまう事があります。しかし本人としては、それでは納得できないでしょう。

    その場合、やはり弁護士に相談してみるのが無難です。それも交通事故に精通した弁護士に相談すると良いでしょう。弁護士の専門性は大切です。

    というのも弁護士は保険会社との交渉を代行してくれます。弁護士は多数の交渉を経験していますから、被害者にとって有利な結果になるケースも多いです。賠償金が高くなりそうな時などは、弁護士に依頼してみると良いでしょう。

    弁護士特約を活用して休業損害に関して相談する

    派遣の場合、上記のように基礎収入の算定で悩まれるケースも多いです。日給換算にすると、基礎収入がかなり低めになっている方もいますが、その場合は自分が加入している任意保険に注目してみると良いでしょう。

    多くの保険には弁護士費用特約があります。その特約を活用しますと、弁護士に対する報酬も保険金でまかなわれるのです。したがって弁護士費用特約を利用することで安心して相談できます。

    交通事故の休業損害についておさらい

    派遣社員でも休業損害を請求する事はできます。ただ派遣は収入が少々不安定ということもあり、賃金センサスが活用される事が多いです。また休業日数も争点になりやすいです。

    派遣期間が終了した後の時期などは、注意を要するでしょう。休業損害の主張立証について不安点がある時は、弁護士に相談してみるのが一番得策です。弁護士は知識が豊富ですし、適切な対処法もアドバイスしてくれる上に、相手との交渉も代行してくれます。

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