交通事故で整骨院の過剰通院で支払い拒否されるケース
最終更新日 2024年9月11日
交通事故が発生すれば、やはり病院(整形外科)や整骨院などで治療を受ける事になります。もちろん治療を受ければ、指定の治療費も支払う事になります。ただ人によっては、加害者側の保険会社から詐欺を疑われている事があるのです。
料金や通院日数が不自然な時などは、疑われてしまうケースがあります。あまりにも事故の状況に対して治療費が大きい時や通院日数が一向に多くていつまでも減らない方は、支払い拒否される可能性が高いでしょう。
目次
交通事故の通院に関する注意点
交通事故の保険詐欺の過去の事例
保険金の詐欺にもいくつかパターンがあります。その1つは偽装の事故なのです。
例えば、昔は当たり屋と呼ばれる人物がいました。わざと車にぶつかってきて、保険金をだまし取るような事例がたまに発生しているのです。もしくは急ブレーキをわざとかけて、後側の車の追突事故を誘うようなケースもあります。
一見すると、過失割合で減額されるように思われるかもしれません。しかし自賠責保険ですと、過失割合が70%未満であれば減額されないのです。たとえ50%でも減額されませんから、それにつけ込んで当たり屋を仕掛けてくる人物もいます。
また上記の当たり屋とは異なる手口ですが、水増し請求もあるのです。そもそも事故が発生して会社を休んだ時には、休業証明書が勤務先から発行される事になります。その証明書を改ざんして、保険会社に提出しているケースがありました。日数が多ければ、その分多くの治療費が支払われるからです。勿論、今の時代すぐにバレて刑事事件に発展します。
そうかと思えば、整骨院などと口裏を合わせている事があります。こちらもすぐに嘘が発覚し刑事事件に発展ますので絶対に止めましょう
ただ本人に悪意が無くても、整骨院がやらかしているケースがあります。患者さんの見えない部分で水増し請求している所もありますから整骨院は慎重に見極める必要があります。
回数や金額が多すぎて保険金詐欺を疑われる
それで本人に全く悪意が無くても、疑われてしまうケースもたまにあるのです。明らかに治療費が高すぎる時や通院回数が過剰に多い場合などは、疑われる事は実際あります。
例えば、ある人物に対する施術の料金は、仮に月に10万円くらいの治療費が妥当であると保険会社が判断したとします。ところがその整骨院が月に25万円も治療費を請求してきた時などは、水増しが疑われてしまってもおかしくありません。しかし請求している本人としては、特に悪意もありません。
なぜ上記のような状態になるかというと、院が回数を増やしているか一回の治療費が高額だからです。施術の回数を増やせば水増しできますから、わざと回数を多くするよう持ちかけてくる事があります。整骨院によっては、それで共犯になるよう仕向けている事もあるので、注意が必要です。
それと、本人としてもむやみに通院回数を増やすべきではありません。加害者から賠償金が取れる可能性があるなら、少しでも金額を増やす為に通院回数を増やそうとしている人物もいますが、おすすめできません。そのような行為は、やはり疑われる原因になります。
交通事故の過大施術に罰則はあるのか
交通事故の治療日数を増やそうとすると支払い拒否になるのか?
あまりにも通院日数が多かったり治療費が高くなると加害者側の保険会社は支払い拒否をしてくることが御座います。例えば、交通事故でむちうちになり、事故日より3カ月から4カ月ほどの通院を続けて施術を受けました。その結果、おかげ様でだいぶ『むち打ち』の痛みも治まってきました。
にもかかわらず、医師に対して「まだ痛いです」などと嘘を付いている人物もいるのです。一般的には、それは詐欺罪に該当するでしょう。
交通事故の治療費が支払い拒否になる事はある
上記の月の治療費が25万円のようなケースはどうなるかというと、相手からは支払いを拒否される可能性は大いにあります。明らかに金額が不自然ですし、保険会社としては納得しないでしょう。過大施術が疑われて、支払いを断られる可能性はあります。
そもそも施術を受けたからと言って、無条件に治療費や慰謝料が支払われる訳ではないのです。あくまでも必要性がある時のみ支払われるのであり、病院や整骨院に行きさえすれば治療費や慰謝料が満額支払われる訳ではありません。
整骨院に対する交通事故の治療費請求が却下された実例
過去には、事故との因果関係が否定されて、病院に対する治療費請求は却下された裁判例があります。
ある人物は、交通事故によって頚椎捻挫になりました。ある病院に行って、現に頚椎捻挫に関する診察は受けていたのです。
その人物は、病院だけでなく整骨院にも行きました。同じく頚椎捻挫に関する治療を受ける為に4ヶ月通いつめて、その分の治療費を加害者に請求したケースがあります。
しかし裁判所では、整骨院に対する治療費の請求は却下しました。事故との因果関係が認められなかったからです。
交通事故との因果関係が否定された理由
なぜ裁判所で却下されたかというと、病院がそれを認めていた訳でもなく、紹介状にも画像データなどが見当たらなかったからです。
確かに病院によっては、整骨院に対して紹介状を書く事はあります。その紹介状にも、レントゲン画像などは添付する事になるのです。上記の人物に対する紹介状にも、画像自体は添付されていました。
ところが画像を確認してみたところ、特に異常が認められなかったのです。本人が整骨院に行きたいと希望しているとは書かれていたものの、病状が医学的に証明された訳ではありません。
それ以前に、整骨院に行ったのは本人の意思であって、病院が促した訳ではありません。あくまでも本人の希望だけで整骨院に行ったと判断され、事故との因果関係は認められませんでした。
交通事故のレントゲン画像と医師の許可が必要だった
上記の裁判例は、治療費の請求を却下された一例と言えます。
何が問題だったかというと、まず画像データです。事故との因果関係を証明する画像データがなければ、やはり疑われてしまうでしょう。病院から紹介状が発行されても、きちんと中を確認する必要があります。事故との因果関係を示す証拠があるかどうかを確認してから、整骨院などに行くべきでしょう。
それと、そもそも医師の整骨院の通院許可が無い事が一番の問題です。医師が指示していたのであれば、話は大きく異なります。医師の許可を得ていれば、たいていは整骨院の施術における治療費や通院慰謝料も問題なく支払われるのです。
整骨院に行って施術を受ける事自体は問題ありませんが、「独断」での判断は避けるべきです。医師(整形外科)の医師の通院許可を得てから施術を受けるべきでしょう。
交通事故での保険金詐欺についてのおさらい
交通事故の後に整骨院などに行く事はよくありますが、やはり何かがおかしいと判断されれば、保険金詐欺も疑われてしまいます。
支払い拒否になってしまう可能性もありますし、病院(整形外科)の医師から整骨院の通院許可をもらい併用で通院するのが良いでしょう。定期的に整形外科のドクターの診察も受診してお医者さんと相談しながら整骨院に通っている分には何も問題ありませんし保険会社も通院を認めてくれるでしょう。