トラックが相手の交通事故の手続きが面倒と言われている理由について
最終更新日 2024年9月11日
交通事故を起こしているのは、何もタクシーや自家用車やバイクだけではありません。トラックもあります。
トラック相手の事故ですと、やや面倒であるという声も多いです。サイズが大きいだけに、かなり深刻な事故が目立ちます。
全体的に慰謝料の金額も高めですし、トラック側が加入している保険の都合上、被害者にとって不都合な事を主張してくるケースも多いです。深刻な状況になりやすいので、弁護士に相談するのがおすすめです。
目次
追突事故が多いトラックとその理由
トラックの場合、追突事故が比較的多いです。トラック事故の約50%程度は、追突事故というデータもあります。
なぜトラックは追突事故が多いかというと、急ブレーキをかけるのが困難だからです。一般車と違って、簡単には止まる事ができません。そもそもトラックは積載量が多いでしょう。多くの荷物を積んでいる事もあり、一般車のようにスムーズに停車するのは難しいのです。
トラックの事故は、高速道路で発生しているケースも多いです。ややスピードを出している一般車の後ろにトラックが接近していて、追突事故が発生するケースが目立ちます。
トラックの追突事故が生じる主な原因
トラックの追突事故が起きる理由は、下記のように複数あります。
- 脇見運転 約4割
- だろう運転 約3割
- 居眠り運転 約1割
上記2つ目のだろう運転とは、相手も配慮してくれると思い込んでいるパターンです。
相手もトラックを避けてくれると思っていたものの、実際には衝突してしまうケースも多々あります。しかし死亡事故となると、上記の割合と順位は若干変わってくるのです。
- 居眠り運転 約5割
- 脇見運転 約3割
- だろう運転 約1割
慰謝料の金額は高めな傾向があるトラックの事故
トラック事故は、すでに多数発生しています。その事故の実例を確認する限り、全体的に賠償金の金額は高めです。慰謝料が1億円以上支払われている実例も多数あるのです。
なぜ慰謝料が高めになるかというと、それぐらい事故が深刻だからです。トラックのサイズが大きいだけに、死亡事故になってしまう実例も多数あります。
また死亡事故に至らなくても、深刻な脳障害が残ってしまい、1億円程度支払われている実例もあるのです。
ですからトラックの近くを通りがかる時は、十分注意を要します。トラックは予想できないような動きをする事もあるので、十分な警戒が必要です。
トラックが加入している保険とその注意点
トラック会社が加入している共済とその主張内容
ところでトラックの運転手が加入している保険も、下記のように色々あります。
- トラック共済
- 自家保険
- 無保険
上記の1つ目のトラック共済ですが、トラック会社が集まって独自の組合を作っているのです。色々と費用の問題があるので、万が一事故が発生した時も共済が対応するようになっています。
このトラック共済は、下記のように少々無茶な事を行ってくるケースも多いです。
- そもそも事故など発生していない。証拠はあるのか
- 軽い事故だし、負傷していない筈だ
- 過失は100%そちらにある
- こっちのトラックも壊れたから、お互いゼロで和解しよう
共済が上記のような主張をしてくると厳しいですし、弁護士への相談も検討してみると良いでしょう。
共済よりも面倒な自家保険のトラック
トラックによっては自家保険に入っている事もありますが、要するに積み立てです。
任意保険に加入するのはあまり経済的ではないので、むしろお金を積み立てる方が良いと思っているトラック会社も少なくありません。
自家保険で注意すべきなのは、示談交渉です。任意保険に加入していない訳ですから、保険会社が出てくる事はありません。つまりトラックの事業者と示談交渉を直接行う事になるのです。
自社の利益のみを追求しているケースも多いので、上述の共済以上に無茶な要求を持ちかけてくるケースがあります。裁判で判決が出ても、従ってくれない事さえあります。
無保険のトラック運転手とのトラブル
そして上記3つ目の無保険ですが、トラック運転手によっては事業認可を受ける時だけ保険に加入していて、それ以降は保険を辞めてしまう事もあるのです。その主な理由は費用です。
実際、トラックは任意保険加入が義務付けられている訳ではありません。保険に入っていないだけに、十分な慰謝料が支払われないケースも多々あります。実際、無保険のトラックドライバーとの間で、下記のようなトラブルが生じる事もあるのです。
- 示談に応じてくれない
- 示談交渉が先に進まない
- 支払いを受けられない
上記の1点目ですが、要するにトラックドライバーが逃げてしまう事もあるのです。
2つ目ですが、被害者側が提示する示談金や慰謝料に納得してくれないケースがあります。トラックドライバーも、慰謝料に詳しいとは限らないので、交渉が難航してしまうケースも多いです。
そして3つ目ですが、そもそもトラックドライバーからはお金が支払われる保証がありません。保険会社ならお金を払ってくれる保証がありますが、たとえ約束しても逃げてしまうトラック運転手もいますので、注意が必要です。
トラックとの交渉が決裂した後の流れと弁護士のメリット
トラックとの示談が決裂した後の流れ
ところで相手が保険に加入しているにせよ、無保険もしくは共済にせよ、示談が決裂するケースは実際あります。なかなか結論が出ないケースもあるのです。
その場合、下記のように段階を踏んで決着を付けにいく事になります。
- 調停
- ADR
- 裁判
1つ目の調停は2社間の話し合いであり、2つ目のADRは処理センターや相談センターなどに仲介してもらう事になります。どちらも合意に達すれば、その時点で解決になります。それでも難しい時は、両者がそれぞれ主張をして、裁判所に決定してもらう事になるのです。
ただ注意すべきなのは、たとえ裁判所が判決を出しても、支払われる保証はありません。相手が無保険の場合は、裁判所からの通達を無視する事もあるので、結局は被害者が泣き寝入りになってしまう事もあります。ただし相手のトラックを差し押さえることができれば、慰謝料も支払われやすくなります。
トラックが相手の事故は弁護士に相談すべき
ですから相手がトラックですと、かなり無茶な出張をしてくる事態も想定するべきでしょう。無保険のトラック運転手ですと、それこそ被害者にとって非常に不利な話を持ちかけられる可能性もあります。
だからこそ、弁護士に相談する方が無難です。交通事故の知識が無いと、被害者1人でトラック共済などを相手に示談交渉するハードルは非常に高いでしょう。しかし弁護士は、相手との示談交渉も代行してくれます。
またトラック事故の深刻さを弁護士が実証してくれれば、支払われる慰謝料はかなり高くなる可能性もあります。弁護士基準などを考慮すれば、やはり法律事務所に相談する方が良いでしょう。
まとめ
相手がトラックですと、そもそも任意保険に加入していないケースが多いので、かなり面倒な事故になってしまう傾向はあります。
事故の内容も、全体的に深刻です。トラック運転手が無保険ですと、かなり交渉が難航してしまうケースも多いので、注意が必要です。
トラックは、やはり弁護士に相談するのが一番無難です。面倒な相手との示談交渉も代行してくれますし、相談するメリットは大きいです。