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    タクシーとの交通事故が面倒な理由と対処法

    2021.10.18
    タクシーとの交通事故が面倒な理由と対処法

    最終更新日 2024年9月11日

    交通事故を起こしている車は、もちろん一般車だけではありません。社用車や事業用の車も、事故を起こす事はあります。タクシーもその1つで、たまに事故が発生する事はあるのです。

    タクシー運転手は車の運転には慣れていますが、やはり乗車時間は非常に長いので、事故を起こす事はあります。タクシーとの交通事故は非常に厄介です。共済に加入しているだけに、なかなか反論が難しいケースが多いので、弁護士に相談する方が良いでしょう。

    タクシーと一般車との違いと加入している共済保険

    タクシーと一般車両との主な違い

    タクシーは一般車とは大きく異なる点が複数あります。例えば免許の種類です。

    タクシーの運転手は、2種という免許を取得しています。通常の免許よりは取得するハードルが高く、簡単には合格できません。

    またタクシーの運転手は、任意保険に加入していないケースが多いです。任意保険というより、タクシー共済に加入しているケースが圧倒的に多いです。

    そして冒頭でも触れた乗車時間の長さです。一般車と違って、タクシーの運転手は車を運転している時間が長いだけに、交通事故を起こしてしまう事はあります。現に運転手によっては、何回か事故を起こしていて、免停寸前になっている事もあるのです。

    タクシーのドライバーは共済の保険に加入している

    車を運転する以上は、もちろん保険に入っている必要があります。車を取得すると、ほぼ強制的に自賠責に加入する事になります。万が一の事があると大変なので、ほぼ全員が自賠責に加入する事になります。

    そして一般的なドライバーは任意保険に加入しています。自賠責保険の補償はあまり手厚くないので、それを補うために任意保険に加入している方が大半です。

    タクシーのドライバーも、実は任意保険には加入しているのです。ただ多くの方々が加入しているような任意保険ではなく、タクシー共済に加入しているドライバーが多いです。いわゆる組合のような団体で、そこが提供している保険に加入しながら運転している訳です。

    タクシー会社が共済に加入している理由

    なぜタクシー運転手は共済に加入するかというと、色々と費用の問題があるのです。運転手1人1人が任意保険に加入するのも可能ですが、それは費用が高く付いてしまうケースが多々あります。

    そこでタクシー会社が団体を作り、費用を抑えられるよう工夫しているのです。何かあった時には共済の担当者が出てきて、相手側との事故の交渉を行っているのです。その方が費用負担を抑えられるからです。

    したがってタクシーと交通事故を起こした時に被害者になった時は、被害者としては共済の担当者とやり取りする事になります。一般車の任意保険会社の担当者ではありません。

    タクシー共済の対応と対処法について

    タクシー共済の担当者はどのように対応してくるか

    タクシー共済の担当者は、とても手ごわいという声も多いです。その主な理由は、タクシー共済は事故に慣れているからです。タクシーの運転手は毎日車で仕事をしている訳ですから、それなりの事故件数になります。日々多くの事故に対処しているだけに、共済の担当者も事故に慣れている傾向があります。

    ではタクシー共済の担当者はどのように主張してくるかというと、まず事故自体の発生です。共済の担当者としては、事故が起きてしまうのは困るので、そもそも事故は起きていない平気で主張してくる事があるのです。

    それと過失です。過失割合は、賠償金にも大きく関わってきます。加害者側の過失がゼロであれば、賠償金を支払う義務もありません。ですからタクシー共済の担当者は、タクシー運転手の過失割合はゼロであると主張してくる事が稀にあります。明らかにタクシー運転手が悪いにもかかわらず、ゼロと主張してくるのは心外でしょう。

    また上記の賠償金ですが、タクシー共済は「治療費などかかる筈がない」と主張してくる事さえあるのです。慰謝料支払いに応じてくれないケースも、多々あります。

    タクシー共済が非を認めてこない理由

    被害者からすると、共済が上記のように主張してくるのは、少々驚いてしまう事もあるでしょう。しかし共済にも事情があるのです。

    タクシー業界は、常に人材不足であると言われています。それだけにタクシーの運転手が1人動けなくなってしまうのは、タクシー会社にとってのダメージが大きいです。貴重な労働力が減ってしまえば、売上数字にも響いてしまうでしょう。

    また運転手が免停や免許取り消しになってしまうのは、タクシー会社にとっての被害が大きいです。上記のように過失割合をゼロと主張してくるのも、会社に対する被害を気にしているからです。これはもう仕組み自体に少し疑問を抱いています。

    また交通事故の数字は、常に記録されています。事故が多発しているタクシー会社であると見なされてしまえば、行政による立ち入り検査が入ってしまったり、営業許可を取り消されてしまう可能性もあるのです。

    相手がタクシーの時の対処法

    実況見分や証明書を取り寄せてタクシー共済に対応する

    タクシーと交通事故にあった場合はどう対応すれば良いかというと、下記のような方法があります。

    • 実況見分
    • 事故証明書
    • ドライブレコーダー
    • 診断書
    • 弁護士

    上記の1点目の実況見分は、事故現場の調査です。人身事故が発生すると、警察は事故現場の調査を行って、実況見分という書面を作ってくれます。交通事故の被害者は、その書類を証拠として提示できるのです。証拠が無いと不利になってしまいますから、必ず書類は取り寄せておくべきです。

    2つ目の事故証明書ですが、タクシー共済としては事故など発生していないと主張してくる可能性があります。しかし被害者が事故証明書を提示すれば、そのように主張されるのを防ぐことができます。ですから証明書も取り寄せておくべきです。

    ドライブレコーダーと診断書でタクシー共済に対応

    ドライブレコーダーには、もちろん事故に関する映像や画像が保存されています。ドライブレコーダーの画像データがあるだけでも、相手との交渉は随分有利になります。

    そして病院からの診断書です。交通事故との因果関係を証明したい時には、効力を発揮してくれます。むちうちなどの症状は事故との関連性を証明しづらいですが、診断書はその証拠として使える訳です。ただし診断書には、十分な内容を書いてもらう必要があります。内容不足ですと、有力な証拠にならない事もあるので、診断書の内容はよく確認すべきです。

    交通事故に強い弁護士に相談してタクシー共済と示談する

    そして弁護士です。タクシー共済は上記のように色々主張してきますが、被害者1人でその主張に対抗するのはとても大変です。相手は事故慣れしていますし、不利な結果になってしまうケースもよくあります。

    その点交通事故に強い弁護士は、相手との交渉を代行してくれますし、相談してみると良いでしょう。

    タクシーとの交通事故についておさらい

    タクシー共済は事故慣れしているだけに、示談交渉も不利になってしまう傾向があります。被害者が単独で示談交渉に臨むのは、かなりハードルが高いと見て良いでしょう。

    タクシー会社にも色々な事情があるので、相手も非を認めてこないケースが多いのです。対処法ですが、やはり証拠を集めておくべきです。ただ証拠を集めても、被害者1人で対処するのは難しいケースが多いので、基本的には弁護士に相談する方が無難です。