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    自動車と自転車での事故の過失割合について

    2022.02.21
    自動車と自転車での事故の過失割合について

    最終更新日 2024年9月11日

    交通事故は、自動車同士だけでなく自転車との衝突事故もあります。

    実際、交通事故の判例を確認すると、自動車と自転車事故は比較的多いです。自転車と自動車ですと、基本的には自動車の方が過失割合は大きいです。

    自転車の方が、深刻な状況になりやすいからです。しかし何事も例外があります。たとえ自転車を運転していた時でも、過失割合は80%と決定される事があります。

    交通ルールを守るのが大切です。

    自転車と自動車の事故での過失割合

    過失割合と支払われる慰謝料の関係

    過失割合とは、過失の度合いを示す数字です。基本的には%で表現され、その数字が大きいほど過失が重いとされています。そして過失割合は、慰謝料にも大きく関わってきます。

    自動車と自転車が衝突事故を起こした場合、自転車を運転した本人に後遺症が残ってしまうケースが稀にあります。そういった場合に慰謝料が支払われるケースが多く、その金額は後遺症の程度だけではなく過失割合も関係します。被害者であっても過失割合が大きいと大幅減額されてしまうので、注意が必要です。

    例えば衝突事故によって、慰謝料は800万円であると決定されました。しかし事故の状況次第では被害者は、800万円満額を受け取れる訳ではありません。被害者の過失割合が20%であれば、20%分減額されますので、実際の慰謝料支払い額は640万円となります。過失割合が40%であれば、40%分が減額され480万円といった具合です。

    自転車の過失割合は自動車と比べると低くなる傾向にある

    そして自動車と自転車の交通事故では、自転車の方が過失割合は軽くなる傾向があります。現に過去の実例では、自転車の過失割合は30%以下になっている事が多いです。

    例えば過去に、自転車側が二人乗りをしていた起きた交通事故では過失割合が20%になった実例があります。2人乗りですから、過失は重くなるように思われるかもしれませんが、実際の判決は20%でした。

    他にも、一時停止の違反で過失割合が課せられた実例もあります。交差点での事故で、本来であればは一時停止すべき場所で自転車が止まらなかったケースです。この事故で自転車を運転していたのは児童でしたので、15%程度の過失割合とされました。

    二人乗りや一時停止違反などの過失がある場合は、本来はもう少し重くなるケースが多いです。しかし自転車の場合は、過失割合の数字は比較的低くなる傾向があります。いわゆる弱者救済の理念に則り、自転車の過失は比較的軽くなります。

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    赤信号で横断した自転車の過失割合

    赤信号で横断した時の自転車の過失割合

    しかし自転車で交通事故に遭遇しても、必ずしも30%以下になる訳ではありません。自転車でも、80%程度の過失割合になる事も実際にあります。その理由の1つは信号です。

    交通ルールでは、信号無視になるため赤信号の時に横断歩道を渡ってはいけません。そういった場合の過失は自転車であっても重くなることがあります。

    自転車も歩行者も、青信号の時のみ横断するルールになっているのです。赤信号で渡ると、過失割合が重くなるのも当然です。

    例えば、交差点での自動車と自転車の衝突事故の場合、自動車の運転手は信号を守っており、きちんと青信号の時に、交差点を横断しようとしていました。しかし自転車の運転手は、赤信号の時に横断していたのです。こういった場合、自転車の過失割合が重くなる可能性があります。

    自動車が青信号で自転車が赤信号の場合は、自転車側の過失割合は80%になる傾向があります。自動車が赤信号で信号無視の場合であれば、自動車側の過失割合が重くなります。そこは、信号の状況次第です。

    加えて、右折信号もほぼ同じです。右折信号は右向きの矢印で表現されます。それが青色であれば、自動車の運転手としては右折可能です。その際、自転車の信号が赤色の場合、やはり過失割合は80%となるケースが多いです。

    赤信号の時に自転車が横断すれば、自転車側の過失割合は80%の場合が多いです。信号無視は、それぐらい過失割合が重くなるのです。ですので自転車を運転する時は、信号に注意を払う必要があります。

    もちろん、事故の有無に関わらず信号を守る事は自転車を運転するうえで当たり前の事ですので、交通ルールを守り運転しましょう。

    信号が変わるタイミングでの事故の過失割合は複雑

    ただし、やや複雑な状況もあります。進行するタイミングでは青色だったものの、曲がる時には信号が変わるがパターンもあるからです。

    例えば自動車のドライバーは信号の色が青である事を確認し、走行していました。ただし自動車が移動している場所は交差点で、右折する際には信号は赤色になっていたとします。そして、自転車と衝突した場合などです。

    このような場合、自転車側の過失割合は80%にならない事があります。右折するタイミングで赤になっている以上、自動車のドライバーの過失が重いと見なされ、自転車は70%になった実例があります。
    ですので赤信号であれば、必ずしも過失割合が80%になるとは言えません。過失割合は事故状況により違います。

    道路交通法121条1項7号では以下のように定められています。

    第百二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、二万円以下の罰金又は科料に処する。
    一 第四条(公安委員会の交通規制)第一項後段に規定する警察官の現場における指示若しくは第六条(警察官等の交通規制)第四項の規定による警察官の禁止若しくは制限に従わず、又は第七条(信号機の信号等に従う義務)若しくは第八条(通行の禁止等)第一項の規定に違反した歩行者

    引用元:e-Gov 法令検索 道路交通法第百二十一条

    ながら運転の過失割合と弁護士依頼の費用倒れ

    ながら運転の過失割合は重い傾向にある

    ところで自転車の過失割合は、信号の色だけに左右される訳ではありません。自転車を運転していた本人の行動によっては、過失割合が更に重くなってしまう事があります。

    例えば、最近よく話題になっている、スマホなどを操作しながら運転する「ながら運転」です。
    スマホを操作すれば、それに注意を取られてしまいます。実際に街中などでスマホを操作しながら歩いている人の動きは、非常に読みづらくどちらの方向に進みたいのかよく分からない事もあります。

    ですので、スマホを操作しながら自転車を運転してするのは、とても危険な行為です。その状態で交通事故が発生すると、過失割合は80%どころか90%を超えてしまう事もあります。

    スマホ操作のながら運転は、画面を見ながらだけでなく、通話も同様です。携帯電話で話しながら自転車を運転するのも、重過失に該当し過失割合は重くなる傾向にあります。

    スマホだけでなく、モバイルの音楽プレイヤーも同様です。iPhoneやオーディオプレイヤーなどで音楽を聴きながら自転車を運転するのも重過失になります。イヤホンで大きな音を聴いていると、周囲の状況が分かりづらくなってしまうので、交通事故発生率が高まってしまうからです。

    過失割合が重いと弁護士に依頼する意味が無くなる

    重過失ですと、弁護士に依頼する意味もなくなってしまいます。弁護士に依頼する場合、費用が必要です。

    成功報酬などを支払う事になるのですが、重過失の場合ですと、費用倒れになる可能性があります。弁護士も、費用倒れになる案件は引き受けることは多くありません。

    自動車と自転車の過失割合についておさらい

    自転車と自動車の交通事故であれば、基本的には自転車の方が過失割合は軽いです。

    弱者救済の考え方があるので、30%以下になる実例が多いです。しかし、注意すべきなのは、信号です。赤信号の時に自転車で横断すると自転車側の過失割合が大きくなる可能性があります。

    そして、ながら運転も注意が必要です。スマホなどを操作しながら自転車を運転するような危ない行動は、絶対にやめましょう。重過失になった時の損害は大きいので、安全第一で運転すべきです。

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