【交通事故の過失割合】自動車対人の場合
最終更新日 2024年9月11日
交通事故は、自動車同士が衝突するパターンが多いです。出会い頭などに車同士が衝突する事故は多いですが、その他にも車と歩行者が衝突するパターンもあります。
車対人の事故の過失割合は、車の方が重たくなるのです。しかし何事にも例外はあります。歩行者側に何らかの非がある時には、被害者にも過失割合が課せられることはあるのです。
もしも過失割合の数字に納得できない時などは、弁護士に相談してみると良いでしょう。また、整形外科や整骨院等で歩行者(自転車)が適切な治療を受ける際に大切なポイントになりますのが、車と歩行者(自転車)の事故の場合には転倒をしているかいないかも非常に大切になって参ります。転倒しそうになったが、何とか踏ん張ってその際に痛めたというだけでは相手方の保険会社や自賠責保険にも否認されるケースが最近ではよくありますので注意が必要です。
目次
車体人の過失割合の基本と例外のパターン
車対人の過失割合の基本は車が100%
横断歩道を横切っている人に車が衝突してきた時などは、基本的には車の過失割合は100%になるのです。歩行者が死亡したり重症になった時などは、運転手への賠償金額はかなり大きくなります。
なお自動車と人との間は、1.5メートル以上は距離を空けるべきとされています。また歩行者に対してクラクションを鳴らすのも、交通違反になります。やむを得ない事情が無い限り、鳴らしてはいけないルールになっているのです。
歩行者に過失割合が発生するパターン
交通事故には、やはり例外もあります。下記のような状況ですと、歩行者にも過失割合は発生するのです。
- 歩行者の信号無視
- 横断歩道でない場所を歩行者が渡った
- ふらふら歩き
- 飛び出し
- 幹線道路
- 夜間
歩行者が赤信号で渡っていた時などは、過失割合は70%ぐらいになる事もあります。ちなみに夜間は、歩行者は自動車を見つけやすいですが、自動車は歩行者を見つけづらい傾向があります。それだけに歩行者側に注意義務が発生するので、過失割合は5%ほど高くなります。
歩行者の過失割合が軽くなるケース
逆に、歩行者側の過失割合が軽くなるパターンもあります。
- 高齢者や子ども
- 障害者や幼児
- 住宅地や商業地
- 歩行者が集団の場合
上記の3点目ですが、住宅地や商業地は人の往来が比較的多いです。どこから人が飛び出してきても不思議はないので、車としては普段以上に注意深く運転する義務があります。そのような場所では、歩行者側の過失割合は5%ぐらい減るケースがあります。
過失割合に関して揉めやすい信号無視
ちなみに車対人の交通事故は、歩行者が信号無視しているパターンが多いです。交通事故が発生したら示談交渉する事になりますが、過失割合で揉めているケースも少なくありません。信号無視していた時などは、過失割合の示談交渉の話はまとまりづらいのです。
その際決め手になるのは、やはり証拠です。加害者の車に設置されていたドライブレコーダーなどは、証拠の1つになるでしょう。また加害者の車の近くを通りがかっていた目撃者の証言も、証拠の1つになります。
道路によって過失割合の数字は異なる
信号機が無い横断歩道での事故の過失割合
道路には色々な種類があります。そもそも道路には、必ずしも信号機が設置されているとは限りません。信号機が無い横断歩道もあれば、信号機も横断歩道もない道もあります。その道のタイプによって、過失割合の数字は変わってくるのです。
- 信号機が無い交差点や横断歩道
- 横断歩道ではない道
- 信号機がある道
まず上記の1つ目の信号機が無い交差点での事故は、車の過失割合は100%になります。例外はありません。
横断歩道でない道での過失割合
ところが裏路地など横断歩道が無い道の場合は、過失割合の数字は若干変わってきます。歩行者側の過失割合は、基本20%ぐらいになるのです。
というのも裏路地などの道ですと、やや予測が難しい一面があります。横断歩道とは違いますから、急に人が飛び出してくる可能性もあるのです。車の運転手としては、その飛び出しを予測するのも難しいでしょう。
それを考慮して、横断歩道が無い道は自動車は80%になり、歩行者は20%になる訳です。決して車がゼロ%になる訳ではありません。
信号機がある道での過失割合
そして信号機がある道の過失割合は、とても多彩です。青信号の時に歩行者が横断していた時の事故は、もちろん車の過失割合は100%になります。しかし実際には、下記のように色々なケースがあり得るのです。
- 黄色信号の時に歩行者が横断し、車は赤信号を無視
- 赤信号の時に歩行者が渡り、車は青信号だった
- 歩行者は赤信号だったものの、車は黄信号
- 歩行者も車も赤信号
このように色々なパターンがあり、それぞれ過失割合は異なります。まず1つ目は車の過失は90%になります。黄色信号ですし、歩行者にも非があると見なされるのです。2つ目ですと、歩行者の過失割合は70%になります。しかし3つ目のように車は黄色信号だった時は、歩行者の過失割合は50%になるのです。
さらに両方とも赤信号の場合、車は80%になります。上記の他にも、色々なパターンがあるのです。
肝心な点は、いずれのパターンも自動車の過失割合はゼロになっていません。ですから車を運転する時は、くれぐれも歩行者に注意する必要があります。
自賠責基準での過失割合と弁護士に相談するメリット
自賠責なら歩行者の賠償金減額は最大2割
自賠責保険ですと、歩行者に対する慰謝料や治療費などが安くなってしまうケースは、原則ありません。というのも自賠責の場合は、被害者側の過失割合が70%以上でない限りは、賠償額は減算されないルールになっているのです。ですから歩行者の過失が30%や60%でも、慰謝料が減額されてしまう事はありません。
というのも交通ルールには、弱者救済の原則があります。自動車と比べると、歩行者の方が弱いことは明らかでしょう。両者が全力で走っていた時に衝突すれば、間違いなく歩行者の方が大きな被害を受けます。歩行者を守るべきという考えがあるので、70%以下では慰謝料は減額されないルールになっているのです。
ちなみに歩行者の過失割合が80%になるケースは、まずありません。赤信号で横断した時のみ2割減額される事はあっても、それ以外で減額されるケースはまず無いのです。
過失割合で困った時は弁護士に相談
ところで歩行者と車との事故が発生すれば、示談交渉も行うことになります。車の運転手によっては任意保険に加入しているので、その保険会社を通じて交渉してくる事もあるのです。
任意保険には、上記の70%のルールは通用しません。過失割合で減らされた分は、慰謝料も減ってしまいます。歩行者としては、その減額に納得できない事もあるでしょう。
ただ歩行者1人で交渉を試みても、難航してしまうケースも多々あります。保険会社は交渉を何度も経験しているので、なかなか歩行者側の主張が通らないことも多いです。
困った時は、やはり弁護士事務所に相談してみる方が良いでしょう。弁護士に依頼すれば、保険会社との交渉も代行してくれますし、賠償金も適正な金額になりやすいです。
自動車と歩行者の過失割合についておさらい
歩行者の方が自動車よりも弱いので、自然的に過失割合も歩行者の方が有利になります。しかし信号の状況や歩行者の行動によっては、歩行者側にも過失割合が課せられる事はあるのです。道を歩く時は車には十分注意すべきでしょう。
逆に、運転手としても歩行者に注意すべきです。また、車との事故によりお怪我をされている場合、整形外科や整骨院等で歩行者(自転車)が適切な治療を受ける際に大切なポイントは、歩行者(自転車)が転倒をしているかいないかも非常に大切になって参ります。
転倒しそうになったが、何とか踏ん張ってその際に痛めたというだけでは相手方の保険会社や自賠責保険にも否認されるケースが最近ではよくありますので注意が必要です。転倒もしていないのに怪我をするのか?という見解が最近では多くなってきているように感じるところであります。
なお保険会社が提示してきた過失割合が不服な時は、歩行者1人で対応するのも大変ですし、やはり交通事故に精通した弁護士に相談してみるのが無難です。