交通事故の原因は日常の疲れから!?
最終更新日 2025年12月5日
交通事故でむちうちになってしまった時の対処法は症状の大きさにより異なります。
むちうちの対処法は痛みなどの身体的症状だけでなく、事故が引き起こす精神的なストレスに気を使う事も非常に大切です。
交通事故発生データから見るリスクと疲労の関連性
交通事故の発生状況に関する最新データは、安全運転への意識を高める上で非常に重要です。ここでは、警察庁が発表しているデータ(主に2023年の情報)を参考に、交通事故のリスクが高い傾向にある時期や状況についてご紹介します。
2023年 月別交通死亡事故発生状況と傾向
| 発生月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 発生件数(概数) | 223 | 220 | 232 | 224 | 209 | 205 | 221 | 227 | 202 | 243 | 247 | 250 |
※警察庁交通局「交通死亡事故発生状況」(2023年速報値より筆者集計)
上記のデータを見ると、2023年は月による発生件数の大きな変動は少ないものの、依然として**10月から12月にかけてやや増加する傾向**が見られます。これは、日没が早まり視界が悪くなることや、年末の慌ただしさによる心理的な要因が考えられます。
交通事故発生データから分かること:時間帯・曜日・目的別の傾向
次に、具体的な交通事故発生データから読み取れる一般的な傾向を見ていきましょう。
- 昼夜別発生件数: 2023年のデータでは、**昼間(日の出から日没まで)が約60%強、夜間(日没から日の出まで)が約30%台後半**を占めています。昼間の方が件数は多いですが、**死亡事故に限定すると夜間の割合が高くなる傾向**があります。これは、夜間は視界が悪く、歩行者や自転車の発見が遅れること、また飲酒運転が増えることなどが要因として考えられます。
- 曜日別: 曜日別では、特定の曜日に突出して多いという傾向は薄れてきていますが、一般的に**週末(土曜日・日曜日)**や、週の始まりである**月曜日**にやや件数が多い傾向が見られることもあります。特に、週末はレジャー目的の移動が増え、月曜日は通勤・通学で交通量が増えるため、注意が必要です。
- 通行目的別: 一般的に、**業務や通勤**を目的とした月曜日から金曜日の事故件数が多くなる傾向があります。これは、平日の日中に交通量が多いことに加え、業務上のプレッシャーや疲労が影響している可能性も指摘されています。
これらの傾向を踏まえると、特に**日没が早い時期の夜間**や、**週末および週明けの通勤時間帯**、そして**業務中の運転**においては、普段以上に慎重な運転を心がける必要があります。忙しくてバタバタしているというような精神的作用や、慢性的な疲労が運転に影響を及ぼしている可能性も考慮すべきでしょう。
疲労は交通事故の要因の一つなのか?見過ごされがちなリスク
在ブリスベン日本国総領事館の発表によると、疲労はオーストラリアのクイーンズランド州における交通事故の原因TOP5に入っているそうです。日本においても、疲労が交通事故の主要な要因である可能性は十分に考えられます。
実際に日本で起こっている交通事故においても、飲酒運転やスマートフォンを見ながらの運転など、明らかに原因が特定できるもの以外は、疲労が直接的な要因として診断されることは少ないかもしれません。しかし、**疲労は判断能力や反応速度の低下、注意力の散漫を引き起こし、居眠り運転につながる可能性**もあるため、多くの事故の背景に潜んでいると考えられます。
当然、疲れていれば注意力が散漫になりますし、居眠りをしてしまう可能性もあります。仕事中に車を運転する際は、焦らず、十分余裕を持った運転を心掛けたいものですね。
運転行為自体が疲労につながる:「慢性疲労」の危険性
疲労と言っても、年末にかけて仕事が忙しくなるような、自分でも自覚しやすい「肉体疲労」と、普段の生活の中で蓄積され、自覚症状のない「慢性疲労」に分かれます。
肉体疲労であれば、「今日は運転を控えておこう」と判断できるかもしれませんが、慢性疲労の場合は長時間の運転などでも自覚のないまま蓄積されていくため、運転中でも疲労が限界に達してしまうことがあります。特にドライバーは、単に座っているだけでも、集中力や視覚情報の処理、身体の固定などにより、知らず知らずのうちに疲労が蓄積されると言われています。
このように自覚のないまま疲労が溜まっていくことにより、引き起こされる交通事故は、知らないところで多く発生しているかもしれません。日頃から自身の疲労度を意識し、適切な休息を取ることが重要です。
疲労のサインを見逃さず、事故を予防する:早期発見と対処法
交通事故を起こさないためにも、運転中の疲労の兆候を把握するのはとても大切です。自分の体調を客観的に認識する習慣をつけましょう。
運転中の疲労のサインとしてよく以下の特徴が挙げられます。
- ・頻繁なあくび
- ・眠気や倦怠感、集中力の低下
- ・車線からはみ出しそうになるなど、蛇行運転の兆候
- ・瞬きの回数が増える、目が乾く
- ・過去数分間の運転や景色の記憶が曖昧になる
- ・対向車のライトや標識が眩しく感じる
- ・背中や腰の痛み、首の凝り
これら以外にも疲労の兆候はたくさんあります。少しでも疲れを感じたら、無理をせず、安全な場所へ車を停め休憩をしてください。高速道路であればSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)、一般道であれば道の駅やコンビニの駐車場などを活用しましょう。
可能であれば仮眠を取るのが理想です。短時間(15〜20分程度)の仮眠でも疲労回復効果は高いとされています。
長時間運転する場合は、疲れを感じる前にこまめに休憩をするのが交通事故を起こさないためにも大切です。目安としては、2時間に1回は休憩を取り、軽いストレッチや深呼吸をするだけでも効果があります。
疲労運転をしないことも交通事故防止につながる:事前のチェックポイント
疲れを持ち越したまま運転をしないことも交通事故防止に不可欠な対策です。運転する前に、自身の体調を客観的にチェックする習慣をつけましょう。
運転をする前に以下のポイントを確認して、疲労運転をしないように心がけてください。
- 十分な睡眠は取れていますか?
- 普段眠っている時間帯ではないですか?(体内リズム)
- 眠気を引き起こす可能性のある薬(風邪薬など)を服用していませんか?
- 上記で挙げた疲労のサインが既に現れていませんか?
- 長時間運転の場合、事前にこまめな休憩が予定に組み込まれていますか?
- 前日に飲酒をしていませんか?(アルコールが体内に残っていると疲労感が増すことがあります)
- 体調が悪い、気分が優れないと感じることはありませんか?
これらの基本的なポイントを普段から心がけて運転することで、交通事故のリスクを大幅に減らすことができると考えています。万が一、交通事故に遭ってしまい、交通事故で最も多い「むちうち」の症状と対策にお困りの際は、当サイトにご相談ください。

