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    日弁連による交通事故の相談センターの活用法

    2022.01.09

    交通事故で悩んでいる被害者は、よく法律事務所に相談しています。

    弁護士は加害者との示談交渉を代行してくれますし、事故に関するサポートが受けられるからです。ところで弁護士に相談するなら、日弁連交通事故相談センターを利用するという方法もあります。

    弁護士の団体が運営しているセンターで、費用面などのメリットがあります。しかしデメリットもありますので、弁護士特約を利用できるなら交通事故に精通した弁護士へ相談する方が良い場合もあります。

    日弁連交通事故相談センターでできる事

    日弁連交通事故相談センターが立ち上げられた目的とその役割

    昭和40年代に、自動車の台数が大幅に増えてきました。それに伴って交通事故の発生件数も増えてきたので、日弁連は交通事故相談センターを立ち上げたのです。

    交通事故の被害者を救済する為に立ち上げられ、相談所は全国に約160箇所あります。そしてどの相談所でも、費用はかかりません。

    相談センターという名称通り、主に交通事故の相談を受け付けています。それだけでなく、示談に関するあっせんも行っています。

    相談センターへの2種類の相談方法

    相談センターでの相談方法は電話もしくは対面相談の2種類です。

    センターには受け付け専用の電話番号があり、そこに在籍している弁護士に交通事故について電話相談をすることができます。ただし制限時間があり、10分以上は相談できません。時間制約が厳しいので、個別相談というより交通事故全般に関する問い合わせをしている方が多いです。

    対面相談の制限時間は30分程度です。予約制ですので、事前にセンターへの電話連絡が必要です。以下のような書類を事前に用意しておくと、相談がスムーズになる傾向があります。

    • 交通事故証明書
    • 診断書
    • 治療料金の明細書
    • 事故が発生する前の給料明細

    これらの書類を準備しておくと話を進めやすいですが、対面相談は最大5回まです。

    交通事故相談センターによる示談あっせん

    また相談センターは、示談あっせんも行っています。

    加害者と被害者の間に弁護士が入ってくれるのですが、あくまでも中立的な立場で話を聞いて、両者の示談交渉がまとまるお手伝いをしてくれるのです。どちらかの味方につく訳ではありません。

    なお示談あっせんでも折り合いがつかなかった時は、審査にかける事ができます。

    事故に関する判断を日弁連に任せる訳ですが、相手側が共済に入っている場合、共済は日弁連の決定に従う必要があります。ですので共済を拘束する事もできます。ただし拘束できるのは共済限定であり、任意保険は対象外です。

    相談センターを利用するメリットと他のセンターとの違い

    相談センターと法律事務所との違い

    交通事故に関して弁護士に相談したいなら、法律事務所という選択肢もあります。

    上述の相談センターと法律事務所には、次のような違いがあります。

    • 相談センターは交通事故に詳しい弁護士が対応してくれる
    • 法律事務所は有料
    • 法律事務所は依頼主の味方をしてくれるものの、センターの立場は中立的

    相談センターと交通事故紛争処理センターの違い

    ところで事故に関する相談を受け付けているのは、何も日弁連だけではありません。

    交通事故紛争処理センターもあります。紛争処理センターにも法律相談する事ができますし、あっせんも行っています。

    その処理センターと相談センターとの主な違いは、以下の通りです。

    • 処理センターは治療が終わっているか、後遺傷害の等級認定が完了している方限定になり、相談センターは治療中でも相談可能
    • 処理センターでも、和解が不成立になった時の審査は可能。任意保険会社も拘束対象になるものの、相談センターの拘束対象は共済のみ
    • 処理センターの相談所は全国11ヶ所、相談センターは約160ヶ所
    • 処理センターは解決に時間がかかるものの、相談センターは比較的早い

    日弁連交通事故相談センターの主なメリットとデメリット

    日弁連による相談センターには、上述の費用面などのメリットがあります。それに加えて、次のようなメリットもあるのです。

    • 治療中でも相談可能
    • 相談実績が豊富
    • 交通事故が得意な弁護士に相談できる

    日弁連の相談センターには、すでに過去の相談事例から多くのデータが蓄積されています。実に4万件前後の相談実績があるのは、とても頼もしいです。

    また相談センターの場合、必ずと言って良いほど交通事故に詳しい弁護士に相談できます。

    弁護士には、それぞれ得意分野があります。借金問題に詳しい弁護士もいれば、離婚問題や労働問題などもあります。各弁護士の得意分野を調べるのは大変ですが、相談センターなら確実に交通事故に精通した弁護士に相談できます。

    一方でデメリットもあります。

    • 交渉する相手が任意保険会社の場合、たとえ審査を行っても賠償金を支払ってくれない可能性がある
    • 立場は中立的であり、被害者の利益を優先してくれるとは限らない
    • 電話がつながりにくい事がある

    相談センターの限界と法律事務所のメリット

    初期相談にはおすすめの相談センターとその限界

    日弁連による相談センターの活用法ですが、事故が起きてから間もない時期に相談するのが良いでしょう。

    事故が起きた直後は、被害者としても何をすれば良いか分からずに困惑してしまう傾向があります。混乱してしまうケースも多く、その際に日弁連の相談センターに連絡してみると、ヒントを得られる事が多いです。

    今後の対応策や情報などを知りたい時は、まず相談してみると良いでしょう。料金も無料ですのでおすすめです。

    しかし日弁連の相談センターにも、限界があります。あくまでも中立的な立場で被害者の味方をしてくれる訳ではないので、たとえ加害者と交渉しても賠償金がまとまらないケースも多いです。交渉は、必ずしもスムーズに進むとは限りません。

    折り合いがつかない時は法律事務所に相談

    なかなか折り合いがつかない時は、改めて法律事務所への相談を検討してみると良いでしょう。相談センターでも難しそうな案件は、法律事務所に相談するイメージです。

    ただ法律事務所に相談するとなると、費用の問題が浮上してきます。センターと違って、無料ではありません。

    もしも費用が気になる時は、自分が加入している保険を確認してみると良いでしょう。保険によっては、弁護士特約があります。その特約を活用すれば、弁護士に対する依頼費用も保険金がおりるのです。最大300万円ではありますが、かなり費用を節約する事ができます。

    法律事務所の弁護士に依頼するのは、相手との交渉を代行してくれるメリットがあります。たとえセンターが間に入ったとしても、なかなか話がまとまらない事も多いですが、法律事務所はその交渉も代行してくれます。

    交渉が難航した時は、法律事務所への相談がおすすめです。

    まとめ

    日弁連交通事故相談センターは、料金がかかりませんし、とても便利な場所に相談所があります。しかし中立の立場で相談を受け付けているので、必ずしも被害者にとって有利な結果になるとは限りません。

    相手が共済でなく任意保険会社の場合、センターの審査結果で拘束する事もできません。難しい時は、やはり法律事務所に相談してみる方が無難です。センターは、事故直後の初期相談で活用すると良いでしょう。