交通事故での刑事裁判と民事裁判の違い
- 道路交通法違反
- 自動車運転過失致死傷罪
- 危険運転致死傷罪
例えばけが人に対する救護義務を怠った時などは刑事裁判になりやすいですし、ひき逃げも対象になる事が多いです。また取り調べの際に反省の意思が見られなかった時などは、刑事裁判に発展する傾向があります。
ちなみに刑事裁判は、必ずしも警察署だけで行われるとは限りません。逃亡する可能性が無いなら、在宅で起訴される事もあります。
その裁判を避けたいなら、やはり普段から注意して運転するべきでしょう。飲酒運転を控えるのは当然として、もちろんひき逃げや当て逃げは禁物です。そして誰か負傷していた時は、必ず救護しましょう。
目次
刑事裁判の流れと民事裁判との違い
刑事裁判は民事裁判とどう違うのか
ところで冒頭でも触れた通り、刑事裁判は民事裁判とは異なります。
前者の刑事裁判の場合は、国家が被疑者を追求していく形になるのです。上記でも少々触れた通り、事故の被害者は裁判所に出廷する事はありません。ただし被疑者1人で検察官を相手にするのは著しく不利なので、被害者も弁護人を付けることはできます。
それに対して民事裁判は、加害者も被害者も出廷する義務はありません。状況によっては、全く出廷せずに手続きが進められる事もあります。しかし出廷しなかった時は、相手の主張を全て認める形になりますから、ほぼ確実に敗訴してしまうでしょう。
また刑事裁判と違って、罰則などが決定される訳ではありません。民事裁判で決められるのは、賠償金や賃金返還や不動産の明け渡しなどに限られます。民事裁判にて有罪無罪や刑務所への拘留などが決定される事はありません。
刑事裁判の流れはどうなるのか
刑事裁判の大まかな流れは、下記の通りになります。
- 起訴状の決定
- 質問や尋問
- 判決の言い渡し
- 刑の執行もしくは支払い
まず被告人に対しては、起訴状が朗読されるのです。その起訴の内容に同意した時は、検察官から証拠などが提示されて、審理を行っていく事になります。もちろん被告人側としても、証拠を提出する事はできます。それで様々な質疑が行われた後に、ある程度は結論が出揃ってきた日から数えて、およそ1ヶ月後には判決が下るのです。その時に罰金刑が言い渡された時には、加害者は所定の料金を支払う事になりますし、刑罰が下った時にはそれが執行され訳です。
ちなみに上記は起訴内容に同意した時の流れですが、同意しなかった時も様々な質問のやり取りが行われて、判決が言い渡される事になります。
実況見分調書は主に刑事裁判で使われる
そして人身事故の場合は、警察は現場確認を行ってくれます。当日の天候や時間帯や車の状況や、当事者の情報などを細かく確認した上で、実況見分調書という書類を作成するのです。
ただし実況見分の調書は、基本的には刑事裁判向けに作られています。刑事裁判では証拠を提示する必要がありますから、現場で色々な情報を確認して、書類に記録している訳です。
ただし民事裁判でも、実況見分の情報を使う事はできます。しかし、それはあくまでも便宜的なレベルにとどまります。事故の状況を確認する程度に使っているケースが多いです。しかし被害者としては実況見分の内容を確認する事はでき、それを賠償請求の証拠などに使う事はできます。
刑事裁判の後に示談を交渉された時の対応方法
刑事裁判が決まった後に加害者から示談を持ちかけられる事がある
ところで刑事裁判になった時は、被害者に対して加害者から連絡が来ることもあります。どのような用件かというと、早めの示談交渉です。
刑事裁判では、加害者に対して何らかの罰則が下るケースは多々あります。もちろん加害者としては、刑がどれぐらいの重さになるか気にしています。
刑罰の重さは、示談の有無に左右される一面もあるのです。被害者と加害者が示談交渉を行っていて、なおかつ合意に達している時には、加害者の罪は軽くなります。ですから罪を軽くしたい加害者としては、示談交渉を持ちかけてくる事もよくあるのです。かなり熱心に交渉してくる傾向があります。
なぜ加害者が示談交渉を急ぐかと言うと、刑事裁判の判決が下るのはそれほど長い日数がかからないからです。示談交渉は1年ぐらいかけて合意に至ることが多いですが、刑事裁判はそれよりも早く判決が出る傾向があります。ですから加害者としては、急いで結論を出したいと思っている事も多いです。
刑事裁判の後に示談を持ちかけられた時の対処法
被害者としては、上記のような状況にはどう対処すれば良いかと言うと、基本的には弁護士に相談して問題ありません。弁護士に相談すれば、適切な対処法も教えてくれるからです。
1つ注意すべきなのは、安易に示談に応じるべきではありません。うかつに応じてしまい、何らかの合意点に達してしまいますと、その合意内容をキャンセルするのは著しく難しくなってしまうからです。たとえ口約束でもキャンセルは困難な事が多いので、注意が必要です。
特に重たい後遺症が残ってしまった時は、示談に応じるかどうかは慎重に判断すべきです。その辺りは、やはり弁護士と相談して決める方が良いでしょう。
交通事故での刑事裁判と民事裁判の違いについてのおさらい
刑事裁判は、民事裁判とは大きく異なる点もあります。基本的には重たい罪が想定される時に行われる裁判であり、賠償金などが決定される事はまずありません。
民事裁判では、慰謝料の具体的な金額や等級も決定されるのです。それで肝心な点は、交通事故の加害者から示談を持ちかけられても、簡単に応じるべきではありません。一旦合意に達すると撤回困難になってしまいますから、弁護士に相談する方が良いでしょう。
最終更新日 2024年9月11日
交通事故が発生すると、場合によっては裁判に発展する事もあります。相手との示談金がなかなか決定しない時などは、裁判で最終的な決着をつけに行く事が多いですが、それ以外にも刑事裁判もあるのです。
金額は民事裁判によって決定されるのですが、それとは少々異なる一面があります。刑事裁判のポイントは、加害者からの示談交渉です。相手が交渉を持ちかけてくるケースも多々ありますが、不必要に応じる必要はありません。
交通事故での刑事裁判について
刑事裁判では賠償金などは決定されない
刑事裁判は、主に刑罰などを決定していきます。覚せい剤や強盗罪や窃盗罪などに関する裁判をイメージすると分かりやすいでしょう。その裁判には、下記のような複数の人物がいます。
- 裁判官
- 被告人
- 検察官
刑事裁判は、必ず罪を疑われている人物がいますが、その人は被告人と呼ばれるのです。その被告人を訴えている人物は、検察官と呼ばれます。もちろん裁判官が、最終的な判決を下すのです。
この裁判は、基本的には被害者が出廷する事はありません。基本的には被告人が有罪か無罪かを決定し、具体的な刑などを決めていく事になります。ですから被害者は直接的には裁判に関与する訳ではありません。
そして冒頭で触れた民事裁判と違って、基本的には賠償金を決定しないのです。刑事裁判で有罪になっても、被害者にお金が支払われる訳ではありません。
どのような交通事故で刑事裁判が行われるか
全ての交通事故が刑事裁判の対象になる訳ではありません。あくまでも悪質な事故のみ対象になるのです。下記のような事故などは、裁判の対象になります。
- 道路交通法違反
- 自動車運転過失致死傷罪
- 危険運転致死傷罪
例えばけが人に対する救護義務を怠った時などは刑事裁判になりやすいですし、ひき逃げも対象になる事が多いです。また取り調べの際に反省の意思が見られなかった時などは、刑事裁判に発展する傾向があります。
ちなみに刑事裁判は、必ずしも警察署だけで行われるとは限りません。逃亡する可能性が無いなら、在宅で起訴される事もあります。
その裁判を避けたいなら、やはり普段から注意して運転するべきでしょう。飲酒運転を控えるのは当然として、もちろんひき逃げや当て逃げは禁物です。そして誰か負傷していた時は、必ず救護しましょう。
刑事裁判の流れと民事裁判との違い
刑事裁判は民事裁判とどう違うのか
ところで冒頭でも触れた通り、刑事裁判は民事裁判とは異なります。
前者の刑事裁判の場合は、国家が被疑者を追求していく形になるのです。上記でも少々触れた通り、事故の被害者は裁判所に出廷する事はありません。ただし被疑者1人で検察官を相手にするのは著しく不利なので、被害者も弁護人を付けることはできます。
それに対して民事裁判は、加害者も被害者も出廷する義務はありません。状況によっては、全く出廷せずに手続きが進められる事もあります。しかし出廷しなかった時は、相手の主張を全て認める形になりますから、ほぼ確実に敗訴してしまうでしょう。
また刑事裁判と違って、罰則などが決定される訳ではありません。民事裁判で決められるのは、賠償金や賃金返還や不動産の明け渡しなどに限られます。民事裁判にて有罪無罪や刑務所への拘留などが決定される事はありません。
刑事裁判の流れはどうなるのか
刑事裁判の大まかな流れは、下記の通りになります。
- 起訴状の決定
- 質問や尋問
- 判決の言い渡し
- 刑の執行もしくは支払い
まず被告人に対しては、起訴状が朗読されるのです。その起訴の内容に同意した時は、検察官から証拠などが提示されて、審理を行っていく事になります。もちろん被告人側としても、証拠を提出する事はできます。それで様々な質疑が行われた後に、ある程度は結論が出揃ってきた日から数えて、およそ1ヶ月後には判決が下るのです。その時に罰金刑が言い渡された時には、加害者は所定の料金を支払う事になりますし、刑罰が下った時にはそれが執行され訳です。
ちなみに上記は起訴内容に同意した時の流れですが、同意しなかった時も様々な質問のやり取りが行われて、判決が言い渡される事になります。
実況見分調書は主に刑事裁判で使われる
そして人身事故の場合は、警察は現場確認を行ってくれます。当日の天候や時間帯や車の状況や、当事者の情報などを細かく確認した上で、実況見分調書という書類を作成するのです。
ただし実況見分の調書は、基本的には刑事裁判向けに作られています。刑事裁判では証拠を提示する必要がありますから、現場で色々な情報を確認して、書類に記録している訳です。
ただし民事裁判でも、実況見分の情報を使う事はできます。しかし、それはあくまでも便宜的なレベルにとどまります。事故の状況を確認する程度に使っているケースが多いです。しかし被害者としては実況見分の内容を確認する事はでき、それを賠償請求の証拠などに使う事はできます。
刑事裁判の後に示談を交渉された時の対応方法
刑事裁判が決まった後に加害者から示談を持ちかけられる事がある
ところで刑事裁判になった時は、被害者に対して加害者から連絡が来ることもあります。どのような用件かというと、早めの示談交渉です。
刑事裁判では、加害者に対して何らかの罰則が下るケースは多々あります。もちろん加害者としては、刑がどれぐらいの重さになるか気にしています。
刑罰の重さは、示談の有無に左右される一面もあるのです。被害者と加害者が示談交渉を行っていて、なおかつ合意に達している時には、加害者の罪は軽くなります。ですから罪を軽くしたい加害者としては、示談交渉を持ちかけてくる事もよくあるのです。かなり熱心に交渉してくる傾向があります。
なぜ加害者が示談交渉を急ぐかと言うと、刑事裁判の判決が下るのはそれほど長い日数がかからないからです。示談交渉は1年ぐらいかけて合意に至ることが多いですが、刑事裁判はそれよりも早く判決が出る傾向があります。ですから加害者としては、急いで結論を出したいと思っている事も多いです。
刑事裁判の後に示談を持ちかけられた時の対処法
被害者としては、上記のような状況にはどう対処すれば良いかと言うと、基本的には弁護士に相談して問題ありません。弁護士に相談すれば、適切な対処法も教えてくれるからです。
1つ注意すべきなのは、安易に示談に応じるべきではありません。うかつに応じてしまい、何らかの合意点に達してしまいますと、その合意内容をキャンセルするのは著しく難しくなってしまうからです。たとえ口約束でもキャンセルは困難な事が多いので、注意が必要です。
特に重たい後遺症が残ってしまった時は、示談に応じるかどうかは慎重に判断すべきです。その辺りは、やはり弁護士と相談して決める方が良いでしょう。
交通事故での刑事裁判と民事裁判の違いについてのおさらい
刑事裁判は、民事裁判とは大きく異なる点もあります。基本的には重たい罪が想定される時に行われる裁判であり、賠償金などが決定される事はまずありません。
民事裁判では、慰謝料の具体的な金額や等級も決定されるのです。それで肝心な点は、交通事故の加害者から示談を持ちかけられても、簡単に応じるべきではありません。一旦合意に達すると撤回困難になってしまいますから、弁護士に相談する方が良いでしょう。