トリガーポイント療法について
最終更新日 2025年6月11日
こんにちは、事故したら.com事務局です。
整骨院へ通院をお考えの交通事故被害者の中には、実際どのような治療を受けることができるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
特に、交通事故によるむちうちや打撲などの痛みは、適切な治療を受けないと長期化する恐れがあります。今回は、慢性の痛みの原因となる「トリガーポイント」に着目した**『トリガーポイント療法』**について、その詳細と治療法、そして効果について詳しく解説します。
目次
『トリガーポイント療法』について
トリガーポイントとは?痛みの「引き金」となるしこり
多くの方が、肩や腰などに慢性的な痛みを感じる際に、その部分に「しこり」のような硬い部分があることに気づいた経験があるのではないでしょうか。
**トリガーポイント**とは、簡単に言うと、この「しこり」のことです。このしこりが、まるで「引き金(トリガー)」のように、**関連する別の場所に痛みや不快感を引き起こす**ことから、トリガーポイントと呼ばれています。
トリガーポイントが生じると、その部分の筋肉が過度に緊張し、結果として筋肉の可動範囲を制限したり、本来の力を発揮できなくさせたりします。例えば、肩甲骨周りのトリガーポイントが、腕や手のしびれを引き起こすこともあります。
トリガーポイントを放置しておくと、その緊張が他の筋肉にも波及し、新しいトリガーポイントが連鎖的に発生することがあります。これにより、痛みが慢性化し、長期にわたる不調につながる恐れがあるため、**早期に適切な治療を受けて取り除くことが非常に大切**です。
トリガーポイント療法:様々なアプローチで痛みを解消
トリガーポイント(しこり)による痛みを効果的に取り除くためには、様々な治療アプローチが存在します。これらの治療法は、トリガーポイントを正確に特定し、そこに適切にアプローチすることで高い鎮痛効果を得られます。
- トリガーポイント注射
- 手技療法(マッサージ)
- 鍼治療
トリガーポイント注射(トリガーポイントブロック)
トリガーポイント注射は、痛みの原因となっているしこり部分に、非常に細い注射針を用いて麻酔薬や鎮痛剤などを注入し、症状の緩和を図る治療法です。この治療は「**トリガーポイントブロック**」とも呼ばれています。
トリガーポイント注射には主に3つの効果が期待できます。
- **痛みそのものを直接和らげる**:局所麻酔薬により、痛みの伝達を一時的に遮断します。
- **自律神経の興奮を鎮め血行を改善する**:痛みによって過剰に興奮している自律神経を落ち着かせ、血流を改善します。
- **痛み物質を洗い流し筋肉の緊張を緩和する**:筋肉が硬くなることで蓄積された痛み物質を洗い流し、筋肉のこわばりを解消します。
「痛みがある→血行が悪くなる→筋肉がこわばる」という悪循環は、慢性的な痛みの原因となります。トリガーポイント注射は、この悪循環を効果的に断ち切ることで、慢性的な痛みを改善へと導くことができます。
手技療法(マッサージ):身体への負担が少ないアプローチ
手技療法、特にマッサージによるアプローチは、身体への負担が少なく、患者様自身の自然治癒力を高めることを目的とした施術方法です。骨格や神経を直接的に圧迫することなく、筋肉の深部にあるトリガーポイントに働きかけ、緊張を和らげ、血流を改善します。多くの整骨院で提供されており、比較的選びやすい治療法と言えるでしょう。
トリガーポイントを利用した鍼治療:深部の痛みにアプローチ
**トリガーポイントと鍼治療は非常に相性が良い**と言われています。その理由は、マッサージでは届きにくい筋肉の深い部分にまで、鍼治療ではピンポイントでアプローチできるからです。
筋肉は幾層にも重なって人体についているため、慢性的な疾患の原因は、表面からは触れにくい深部の筋肉にあることが多いです。そのため、まずは鍼治療で深部のトリガーポイントを直接的に刺激し、血流改善を促すことで、その後のマッサージなどの手技の効果を高めることができます。鍼とマッサージを組み合わせることで、より全体的なアプローチが可能となり、症状の改善に有効とされています。
他にも、マッサージとトリガーポイント注射を組み合わせるなど、症状に応じて様々な治療法が選択されます。
また、トリガーポイントに対する**セルフケア**も非常に重要です。適切なセルフマッサージの方法を指導してくれる整骨院も多く存在しますので、日々のケアに取り入れることで、治療効果の持続や再発防止にもつながります。 トリガーポイント療法が有効なケースとは?交通事故後の痛みについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。